急速な円高は止まって、少し落ち着きを取り戻しています。先週は1ドル=106円台~107円台で推移しました。今回の円高については「最大で105円台」と予想しました通り、そこでピタっと止まりました。そして先週号では「今回の(今年1月からの)円高トレンドは、ひとまず105円で打ち止めと考えてよいのではないかなと思います」と予想しました通り、先週は、ひとまず反発しました。
 
 さて今週、そして3月の米ドル円相場の見通しについて。反発メドは、第一に107円台半ば~後半あたり。ちょっとした節目があり、まずは、その節目を突破できるかどうかが重要です。107円台後半あたりでは上値を抑制する作用が想定されると同時に、もし突破することが出来れば、円安への戻りが拡大しやすくなり、一気に109円~110円近辺へと伸びる可能性が高まります。もしも、ドル(アメリカ)にとって何らかの悪材料が出た場合には、先週と同じく、106円台か、あるいは今回の最大円高メドであった105円台では止まりやすいと考えられます。
 
 ユーロ円相場の下落が拡大しています。以前から「最大130円近辺へと急落するシナリオも想定内と考えておきたい」などと警戒してきました。先週末は1ユーロ=131円まで下がってきました。現状認識としましては、昨年暮れから、ユーロ高(円安)に向かおうかという兆候が複数のテクニカル分析においても確認されており、それを受けてユーロ買いポジションを持つ投資家が海外でも増えていたと思われます。ところが、今月、ユーロ高の流れが急に腰折れてしまい、下落トレンド(ユーロ安トレンド)に転換しました。短期トレーダーなら、今月7日に134円まで反落してきたところでロスカットしているような状況でしたが、まだ中長期の投資家は、ユーロ買いポジションをたくさん抱えている可能性があり、それらの投げ売りとまではいかないまでも、一部ポジション処分を急ぐ投資行動により、先々週も先週も、ユーロ安が進む状況につながっていると思われます。

 中長期的なユーロ安のメドとしましては、引き続き130円、さらに130円以上をキープできずに、128円~127円へずるずる下落が拡大する可能性も一応想定しておきたいかなといった状況かと思われます。
 
 今回の(今年1月~2月の)急な円高のなかで、トルコリラ円や、メキシコペソ円などの高金利通貨が意外なほど頑張っており、それほど値下がりしていません。一般的には、先日のアメリカ株急落のように、ショックなことが起きると、新興国の高金利通貨などは、ショックが増幅して、大きく値下がりすることもよくあるのですが、今回の円高局面では、トルコリラ円は、去年安値(28円)をキープしていますし、メキシコペソ円は、年始5.7円とほぼ変わらない水準です。理由はいくつかあって、それらの通貨はもうすでに割安なレートに下がっているので、これ以上、大きく売られるリスクが小さいのと、先日の世界株安は、新興国を巻き込む深刻な世界経済不安につながると考える人がほとんどいないということかなと思います。スワップ重視で高金利通貨を買う投資戦略は、値上がりしなくてもよくて、暴落さえしなければ成功するので、今年これまでは、まずまずの運用状況といってよいかと思います。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)