中国の国家人事を決定する全国人民代表大会(全人代)が3月5日に開幕する。習近平政権の2期目が本格的に指導することになる。大和総研経済調査部の主席研究員、齋藤尚登氏は2月21日、「中国経済見通し 統計水増しと質の高い発展」と題したレポート(全8ページ)を発表し、全人代の注目点などを解説した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆2018年3月5日に全人代が開幕する。2018年の政府経済成長率目標は2017年と同様、前年比6.5%前後に設定されるとみている。ただし、同6.5%以上が目指された2017年とは異なり、若干の下振れも容認されることになろう。
 
◆2017年以降、省レベルの地方政府で統計の水増しなどが相次いで明らかになった。地方政府幹部の評価の重点は、かつての成長率や税収から、過剰生産能力の削減や新規債務増加の抑制、環境保護、貧困削減などに移った。では、成長率は問われなくなったのか?答えは否であり、ニューノーマルでは「中高速」成長が求められた。新規債務の増加が抑制される中で、「中高速」成長を維持するために、財政収入や工業生産を水増しして辻褄を合わせようとしたのだが、当然のことながら綻びは隠せなかった。
 
◆習近平総書記は、昨年10月の第19回党大会で、中国経済は高速成長段階から、質の高い発展段階へと転じているとした。習近平政権が、「中高速」成長の旗印を降ろすことで虚偽や水増しのインセンティブを減じ、質の高い発展への方向付けを試みているのであれば、悪い話ではない。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)