ここにきて、ポンドの上昇基調に陰りが見え始めた。ポンド/ドルは先週25日に1.4340ドル台まで上昇して約1年7カ月ぶりの高値を付けたがその後は反落しており、本日は1.41ドル台前半で推移している。

 ポンド/ドルが一時1年7カ月ぶりの高値まで上昇した背景は、「欧州連合(EU)離脱(Brexit)は英経済に大きなダメージを与えない」との見方が広がった事にある模様だが、さすがにこうした見方は楽観的過ぎるだろう。例えばロンドンは世界最大の金融都市だが、Brexit後はロンドンに拠点を構える金融機関がEU単一市場とのアクセスを失う可能性もある。こうした議論が遅々として進まない中、独フランクフルトや仏パリといったEU内の大都市が金融機関の誘致合戦を繰り広げている。また、一部にはEU離脱の撤回に向けて英国民投票をやり直すべきとの主張もあるようだが、民主主義の原則に基づけば実現の可能性は低いと言わざるを得ない。

 そのほか、足元でドルが下げ渋っている事もポンド/ドルの反落要因だろう。ムニューシン米財務長官が「ドル安は良いことだ」と発言した事に対して、トランプ米大統領が財務長官にドル安誘導の意図はなかったと釈明した格好でドルに買戻しが入った。

 1月のポンド/ドル相場は上昇率が一時6%を越えた。ここから月末にかけては調整の余地ありと考えるのが自然だろう。まずは、1月の上げ幅の38.2%押しにあたる1.40ドル前後がメドとなりそうだ。
 (執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)