ドル円は黒田日銀総裁の発言を受け、再び108円台まで売られ、一時108円28銭までドル安が進み、直近のドル安水準を切り下げる。ユーロ円などクロス円の売りも円を買う動きにつながった。ユーロドルは前日の1.25台から反落。週末のポジジョン調整もあり、1.2406まで売られる。

 株式市場は3日続伸し、3市場揃って大幅に最高値を更新。ダウは前日比223ドル上昇し、2万6616ドル台に。早くも2万7千ドル台が視野に。債券相場は反落。長期金利は再び2.66%台まで上昇。金は4日ぶりに反落。原油価格は反発し66ドル台に。

10-12月GDP(速報値)  → +2.6%
12月耐久財受注        → +0.6%

ドル/円   108.28 ~ 109.59
ユーロ/ドル 1.2406 ~ 1.2458
ユーロ/円  134.54 ~ 136.29
NYダウ   +223.92 → 26,616.71ドル
GOLD   -10.80  → 1,352.10ドル
WTI    +0.63   → 66.14ドル
米10年国債 -0.037  → 2.660%

本日の注目イベント

米   12月個人所得
米   12月個人支出
米   12月PCEコアデフレータ

 ムニューシン財務長官、トランプ大統領に続き、今度は黒田総裁の出番でした。同総裁はスイスで行われているダボス会議の席で、インフレ率が「ようやく目標に近い」と語ったことで、金融緩和の終了が意識され、ドル円は再び108円台前半までドル安が進みました、

 この発言はダボス会議のフォーラムで、ラガルドIMF専務理事やカーニーBOE総裁などと出席した中で、司会者から2%の物価目標の達成度を尋ねられた際に答えたもので、「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」と英語で発言しました。(ブルームバーグ)市場はこの発言に反応し、ドル円は109円台半ばから108円台前半まで売られています。

 その後、日銀のスポークスマンは「黒田総裁のコメントは今月23日に発表した経済・物価の展望で示した見解と変わらない」と電子メールで補足し、「総裁の発言は、インフレ率の目標の2%に達する時期は2019年度ごろになる可能性が高いという意味だ」と火消しにやっきになったとブルームバーグは伝えていますが、この欄でも何度か指摘していているように、足元の市場はドル安材料には非常に敏感になっており、材料にすぐさまドル売りで反応しやすい状況になっています。

 ドル円はトランプ大統領の「ドル高を望む」発言から、先週末の東京市場では109円70銭までドルが買い戻される場面もありましたが、再びドルが下落する展開で、なかなか浮上のきっかけが掴めない状況です。あまり話題にはなりませんでしたが、トランプ政権のもう一つの公約である「インフラ投資」も、その概要が間もなく発表になりますが、大統領自身その規模は1兆ドル(約109兆円)ではなく、1兆7000億ドル(約1兆8500億)円程度になると語っています。今後、議会での承認や、財源、その実施時期などの問題はありますが、市場はまだ消化していないように思います。

 ドル円の上値が重い展開は変わりません。昨年のドルの安値である107円32銭というレベルがますます重要になってきていると感じます。このレベルを割り込むと、ドル売りがさらに進む可能性があります。従って、108円で粘り腰をみせ反発できるのかどうか正念場ともいえます。

 本日の予想レンジは108円20銭~109円30銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)