ドル円は乱高下。ドル安の流れが続き108円50銭まで売られたが、その後トランプ大統領の「ドル高を望む」との発言にドルが急反発。109円70銭まで上昇し、109円台半ばで取引を終える。ユーロドルはついに1.25台に乗せ、1.2538までユーロ高が進む。トランプ発言や、ドラギ総裁がフォワードガイダンスには言及しなかったことから上げ幅を吐き出し、1.23台半ばまで売られる。

 株式市場は続伸。3Mなどの決算が株価を牽引しダウは140ドル上昇、連日の最高値を更新する。一方アップルなどIT株の上値は重く、ナスダックは3ポイントマイナス。債券相場は反発。7年債入札が好調となり長期金利は2.62%台へと低下。金は続伸し1362ドル台に。原油価格は4日ぶりに反落。

新規失業保険申請件数    → 23.3万件
12月新築住宅販売件数   → 62.5万件
12月景気先行指標総合指数 → 0.6%

ドル/円   108.50  ~ 109.70
ユーロ/ドル 1.2364  ~ 1.2538
ユーロ/円  135.04  ~ 136.22
NYダウ   +140.67 → 26,392.79ドル
GOLD   +6.60   → 1,362.90ドル
WTI    -0.10   → 65.51ドル
米10年国債 -0.024  → 2.623%

本日の注目イベント

日  12月消費者物価指数
日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(12月20日、21日分)
中  中国12月工業生産
欧  ユーロ圏12月マネーサプライ
英  英10-12月期GDP(速報値)
米  10-12月GDP(速報値)
米  12月耐久財受注
加  カナダ12月消費者物価指数

 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」前日、ムニューシン財務長官が「貿易にとってドル安が望ましい」との発言に、ドル売りに拍車がかかり108円台までドル安円高が進みましたが、トランプ大統領はこの発言を否定する異例のコメントを行いました。

 大統領はCNBCとのインタビューで、財務長官の発言は文脈から外れて解釈されたと述べ、同長官の発言を真っ向から否定しています。ドル円はそれまで、もみ合いながらも下値を試す展開が続き、直前には108円50銭までドル安が進んでいました。この発言が伝わると急激にドルの買い戻しが入り、一気に109円台を回復し、109円70銭前後までドル高が進みました。

 この日の注目はECB理事会後のドラギ総裁の記者会見でした。金融緩和終了へのフォワードガイダンスがあるのかと同時に、その後の利上げのタイミングについても言及があるのかが焦点でしたが、総裁は「インフレ率が2%弱の水準に収れんすることへの自身を深めている」と述べましたが、ユーロ高については「このような背景の中で、為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」(ブルームバーグ)と述べ、ユーロ高をけん制しました。また年内の利上げの可能性についても「ほぼゼロだ」と述べています。

 ここ2日トランプ政権の為替発言からドル円は大きく揺れ動いていますが、大統領と財務長官が全く異なる為替認識を持っているところが、トランプ政権の危ういところで、なかなか信頼が置けない部分でもあります。「アメリカ・ファースト」との立場に立てば、ドル安のほうが米経済にとってはプラスとみられ、この日のトランプ発言もいつまた覆されるかもしれません。

 108円50銭まで売られたドル円は、昨年からの動きに比べるとかなり値動きが荒くなってきました。昨日は昨年のドルの最安値である107円32銭を意識する声も聞かれました。ネガティブな材料には瞬時に反応する動きを見ると、市場参加者の相場観も急速に円高方向に傾いてきたように思えます。それでも昨日のドル急反発のように、一気に1円以上もドルが反転する状況を目にすると、ドルショートも居心地の悪い水準にあるとも言えそうです。

 昨日のトランプ発言でドル安の流れが止まったわけではありません。目線はまだ下値に向いていると思われますが、戻りの目安は110円台前半と見られます。

 予想レンジは109円~110円20銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)