ドル円はムニューシン米財務長官の発言に反応し一時109円を割り込む。ドル安容認ともとれる発言にドル全面安の展開に。ユーロドルも一段と上昇し、3年1カ月ぶりとなる1.2415までユーロ高が進む。株式市場は米財務長官の発言で荒っぽい動きとなったが、ダウは41ドル上昇。S&P500も小幅に上昇し、揃って最高値を更新する。債券は反落。5年債入札は良好だったものの、午後には売られ下げ幅を拡大。長期金利は2.64%台まで上昇。ドル安が進んだことで金は大幅高。前日比19ドル上昇し、1356ドル台に。原油価格も大幅に続伸し65ドル台に乗せる。

11月FHFA住宅価格指数   → +0.4%

12月中古住宅販売件数    → 557万件

ドル/円108.97 ~ 109.58

ユーロ/ドル1.2338 ~ 1.2415

ユーロ/円  135.02~ 135.56

NYダウ  +41.31 → 26,252.12ドル

GOLD  +19.60 →1,356.30ドル 

WTI   +1.14 → 65.61ドル  

米10年国債 +0.033 → 2.647%


本日の注目イベント

独  独1月ifo景況感指数
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
米  新規失業保険申請件数
米  12月新築住宅販売件数
米  12月景気先行指標総合指数
米  企業決算 → キャタピラー、インテル、スタ-バックス、3M
加  カナダ11月小売売上高


 昨日のドル円は110円を割り込んでからは一進一退の動きを続けていましたが、NY市場で109円台半ばを割り込むと、さらにドル売りが加速し、一時108円97銭前後までドル安が進みました。ムニューシン米財務長官が、ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については「全く懸念していない」と、ドル安を容認する発言を行ったことでドルは円だけではなく、ユーロなど主要通貨に対してドル全面安の展開になっています。

 この発言を巡ってはその後、ロス商務長官が「米国の長年にわたる強いドル政策の転換を唱えたわけでは全くない」と述べ、投資家が発言に対して過剰反応しているとの認識を示し、火消し役にまわったようですが、ドル売りの流れは止まっていません。もともと年初からドルが売られ易い状況が続いていた中でのこの発言であったため、格好の売り材料を提供してくれた形です。またホワイトハウスのサンダース報道官は「現在、米国が非常に好調で、これまでにないほど力強いため、われわれは非常に安定したドルを持っている」と発言し、「変動相場制が正しいと信じている。大統領はこれまで常にそうしている」と語っています。(ブルームバーグ)

 ドルは対ユーロでも売られ、ユーロドルは1.2415近辺まで上昇し、約3年ぶりのユーロ高を記録しました。昨日のこの動きは「円高」ではなく、明らかに「ドル安」の流れでした。ドルは主要通貨に対して売られただけではなく、金に対しても売られ、金価格は1356ドル台まで上昇し、こちらも4カ月半ぶりの高値をつけています。

 前日の黒田総裁の出口政策の否定発言でもドルの戻りは限定的で、その後トランプ大統領のセーフガード発動など、米国の保護主義はさらに強まるとの見方も、ドル売りにつながっています。110円を大きく割り込んだことで市場参加者の相場観もドル安に傾いてきたと思われ、ドルの先安観も台頭しています。110円より下の方では目立ったサポートもなく、一気に108円台までドル安が進んだことから、意識されるのは昨年9月につけた107円32銭です。この水準は、昨年1年を通じての円の最高値であり、非常に重要なレベルだと考えます。

 急激な円高は輸入物価を押し下げ、2%の物価上昇を掲げる日銀にとっては逆風となり、さらに目標達成が遠のくことになります。またドル円が下落した時には、それなりに反応する日本株にとっても逆風が吹くことになります。今週の動きを見ると、ドル円はネガティブな材料には素直に反応しています。従って、本日も日経平均株価が大きく下げるようだと、昨日のNYでの円の高値をさらに更新する可能性もありそうです。今夜のドラギ総裁の発言にも要注意ですが、一段と進んだユーロ高に対してどのような発言をするのか、ドル円にも影響するため注目です。予想レンジは108円70銭~109円70銭程度とします。