大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は、2018年の中国のGDP成長率は6.3%程度に減速するとみている。1月24日に「中国経済見通し 景気減速要因が多い2018年」と題したレポート(全9ページ)を出して、見通しを述べた。レポートの要旨は、以下の通り。
 
◆国家統計局によると、2017年の中国の実質GDP成長率は前年比6.9%(以下、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)と、2017年3月の全人代で示された政府経済成長率目標である6.5%前後を十分に達成した。実質GDP成長率は2010年の10.6%を直近のピークに6年連続で低下したが、2017年は2016年の6.7%を上回り、7年ぶりの加速となった。
 
◆2018年の実質GDP成長率は6.3%程度に低下しよう。金融引き締め効果の発現、住宅販売不振に伴う関連投資・消費への悪影響など2018年の中国経済には減速要因が多い。懸念されるのは、習近平一強体制の中で金融リスク防止や住宅価格抑制策が効きすぎるリスクが台頭していることである。
 
 もちろん、景気減速が明らかになれば、行き過ぎた金融引き締めは緩和されるであろうし、ある程度の成長率を維持するために、下半期以降はインフラ投資のさらなる増強などの景気下支え策や、住宅価格調整が進展した一部都市では当該地域に戸籍を持たない家計に住宅購入を再び認める(住宅の投資・投機需要を刺激する)といったテコ入れ策が打ち出される可能性があろう。ただし、その効果は直ぐには出ない。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)