ドル円は経済指標が発表されると111円70銭まで上昇したものの、その後は徐々に水準を下げ、一時は110円92銭まで売られる。ユーロ高に引っ張られる形で円高に。ユーロドルは大幅に続伸。1.21を超えると上昇が加速して、1.2218前後までユーロ高が進む。ドイツの2大政党が連立へ前向きなことが評価された。

 株式市場は大幅に続伸。小売売上高が良かったことや、金融機関の決算が相場を引き上げた。ダウは2日連続で200ドルを超える上昇で最高値を更新。債券相場は総じて軟調。10年債は小幅に下落し、長期金利は2.54%へと上昇。金は続伸。原油価格は5日続伸し64ドル台に乗せる。

12月消費者物価指数 → +0.1%
12月小売売上高   → +0.4%

ドル/円   110.92 ~ 111.70
ユーロ/ドル 1.2111 ~ 1.2218
ユーロ/円  134.82 ~ 135.55
NYダウ   +228.46 → 25,803.19ドル
GOLD   +12.40 → 1,334.90ドル
WTI    +0.60 → 64.40ドル
米10年国債 +0.011 → 2.546%

本日の注目イベント

日  12月マネーストック
欧  ユーロ圏11月貿易収支
米  NY休場(キング牧師生誕記念日)

 ドル円は昨年11月27日以来となる111円割れまで下落しました。発表された経済指標は引き続き良好で、消費者物価指数もコア指数では前月比+0.3%で市場予想を上回り、年率でも+1.8%です。インフレ率がFRBの想定に近付いてきたことから、本来はドル高要因と考えられ「ドル買い・円売り」が進んでもよかったと考えますが、その動きは指標発表直後にあっただけで、その後は111円割れへと下落しています。

 特にドルに対して円が買われる理由は見つからなかったと思われますが、ユーロドルが急伸したことで、このドル安が、円にも波及したものと見られます。ユーロドルは1.21が壁となっていましたが、その壁を超えると、ストップロスやユーロに対する強気の買いも巻き込み、一気に1.2218前後まで急騰しました。この水準は2014年2月末以来、約3年ぶりのユーロ高になります。ドイツの連立政権発足に向けた連立協議が進展し、暫定合意に至ったほか、前日発表されたECB議事要旨が「タカ派的」な姿勢を示したことが材料となったようです。(ブルームバーグ)為替市場で最も取引高が多い「ユーロドル」でドル安が進んだことで、円は買われ、金も買われています。

 消費者物価指数が予想より上昇したことに加え、12月の小売売上高もやはり上振れしました。昨年の年末商戦でもそうでしたが、急激な株高による資産効果が消費を押し上げている状況が見られます。株価は今年に入ってからはさらに一段と上昇しており、今年から実施される減税とともに、消費意欲をさらに拡大させる可能性があります。従って、足元では111円割れまでドル安が進んできましたが、ここからさらにドル安が進み、110円を大きく割り込んで下落する展開は想定しにくいと思われます。

 米長期金利も2.5%台で、どちらかと言えば売られ易い状況に変化して来ました。もちろん、為替は金利だけで動くものでもありません。先週末のユーロ急騰劇は、まさに政治的要因だったと言えます。そのほか地政学的リスクもあり、市場参加者のポジションの偏り、あるいは参加者の相場観の偏りなども相場へ影響を及ぼします。ただ、長い目で見た場合、やはり金利は最も相場に影響を与えるものだと考えます。

 本日は米国株の影響から日本株も上昇し、ドル円が現水準から大きく売られる可能性は低いと思いますが、日本株の動きは為替にも大きく影響されやすく、NY市場で一時的とはいえ、111円を割り込んだことから株価の大幅な上昇が抑制されることも考えられます。また上値の壁を破ったユーロドルの動きにもさらに注意が必要です。

 ドル円のレンジは110円70銭~111円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)