先週の為替はじりじり円高へ。週末は1ドル=111円近辺の水準です。先週の為替関連ニュースのなかで重要だったのは、日銀の、ちょっとした政策変更。長期国債の買い入れ額を100億円ほど減額しました。日銀としては、ささいな政策変更ですから、特別な意図はなく、市場が勝手に反応しているくらいに思っているでしょうが、海外投資家は小さなことにも非常に注目していますので、「市場との対話」が大事とよくいわれますように、事前、および、事後の丁寧な説明を怠っていることは、日銀の対応が甘く、今後も日銀のコントロールミスで大きな市場変動を招く可能性がありそうです。
 
 先週、その日銀の政策変更はきっかけに過ぎず、チャート分析上で重要だったのは、昨年12月以降のレンジの下限を突き抜けたこと。昨年12月以降は1ドル=112円~113円台の狭い範囲でのレンジ相場が続いていましたが、下限(サポート帯)だった112円台前半の水準を下方に割り込みました。このことにより、それまで蓄積されていた相場エネルギーが下方に放出されて、円高圧力となっています。今月まだ円高が進む可能性があり、具体的には110円を割れて、109円台~108円台へと円高が拡大する余地はあるのではないかと思われます。
 
 ユーロが荒れています。ユーロ円の現状と方向性を確認しておきましょう。昨年9月から約3カ月間もレンジ相場(131円台~134円台)が続いていました。先月、レンジの上限を突破して、ユーロ高(円安)が進み、一時1ユーロ=136円まで急騰しました。しかし、先週の日銀の政策変更で為替が全面的に円高になった影響から、133円へ反落。先週末に盛り返して135円まで反発中です。チャート分析の観点でも方向性はまちまちで判断が難しいところですが、今週注目すべきは先週の高値136円。超えてくればやはり上昇トレンド入りの可能性が高まる一方で、手前で押し戻されると、軽い二番天井のような形状になるおそれがあります。
 
 NYダウが今年まだ2週間しか経っていないのに、もうすでに1千ドルほど上昇しました。先週の終値は2万5803ドル。NYダウは短期的には若干上がり過ぎな領域には入っているのですが、日経平均株価についてはまだ、先週号で解説しましたように、短期的に2万4千円を超えて、具体的には2万4200~4300円あたりへ上昇する可能性があるとの見方を維持します。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)