昨日のドル/円は111円台前半へと大きくドル安・円高に振れた。日銀の量的緩和縮小観測(円買い)に加え、中国が米国債投資に消極姿勢を示したとの報道がドル売りの手がかり材料となった。一気に200日移動平均線を下抜けており短期的には見通しを弱気化せざるを得ないところだろう。ただ、これらの材料を個別に吟味すれば違った結論も見えてくる。日銀は9日の国債買い入れオペを減額したが、(やや上向いたとはいえ)インフレ率が日銀目標を大きく下回る中、デフレ圧力となりうる円高政策を執る可能性は極めて低い。

 中国当局の米国債投資抑制については、貿易摩擦もその理由になりうるとしており、政治的な「けん制」の意味合いが強いようだ。実際には、規模の面などから米国債に代わる投資先を見付けるのは困難だろう。また、この発言の後に行われた米10年債入札には旺盛な需要が確認されており、今のところ市場が中国の動向を気にしている様子は見られない。こうした中、本日のドル/円は下げ止まりのポイントを模索する展開を見込むが、昨日安値(111.270円)がサポートになれば200日移動平均線(執筆時111.705円)の回復も視野に入りそうだ。
本日の予想レンジ:110.800-112.100円(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)