米下院が税制改革法案を可決したことで、ドル円は長期金利の上昇を手掛かりに上昇。一時約1週間ぶりに113円08銭までドルが買われる。ユーロドルはユーロ圏の景気拡大を背景に続伸。1.1849前後までユーロ高が進み。ユーロ円も134円に迫る。

 株式市場は3日ぶりに反落。税制改革法案の下院での可決と、アップル株などの下落が下げを牽引。ダウは37ドル下落し、S&P500とナスダックも揃って下落。債券は大幅に売られる。税制改革法案が下院で可決したことで成立へのメドがたち、10年債は急落。長期金利は一時2.47%台まで急騰する。金は5日ぶりに反落。原油は小幅ながら反発。

11月住宅着工件数  →  129.7万件
11月建設許可件数  →  129.8万件
経常収支(7-9月) →  -1006億ドル

ドル/円    112.65 ~ 113.08
ユーロ/ドル  1.1805 ~ 1.1849
ユーロ/円   133.16~ 133.92
NYダウ   -37.45 → 24,754.75
GOLD   -1.30 →1,264.20ドル 
WTI    +0.30  → 57.46  
米10年国債 +0.063  → 2.459%

 本日の注目イベント

独   独11月生産者物価指数
米   11月中古住宅販売件数

 法人税引き下げを盛り込んだ米税制改革法案が下院で可決したことで、ドル円は113円台まで上昇し、株式と債券が売られ、市場は将来の金利高を想定した動きを見せました。採決は賛成227、反対203でした。主に税負担の重い州選出の共和党議員12人が反対に回りましたが、上院と異なり保有議席に余裕のある下院での採決は予想通りです。税制改革法案では、法人税率を現行の35%から21%へと引き下げ、さらに時限的な個人の税制優遇措置や、富裕層にも有利な税率引き下げのほか、低所得層・中間層にも恩恵をもたらす基礎控除引き上げが盛り込まれています。ライアン下院議長は採決直前、「今日われわれは米国民が納めた税金を返す」と発言していました。

 ブルームバーグによると、この税制改革によって向こう10年間で歳入は1兆5000億ドル(約169兆円)減る見込みとされていますが、減税による経済効果で歳入を増やすとの思惑ですが、今朝の報道では、経済成長を考慮しても歳入減は1兆ドルとの見方があるそうです。結局その1兆ドルを国債の発行も含め、他の方法で調達する必要があるわけです。

 税制改革法案の下院通過を受け、債券市場が大きく反応しています。国債の需給に影響があるとの見方は、既に周知の事実だったにもかかわらず10年債は大きく売られ、長期金利は一時2.4%台後半まで上昇し、今年最も大幅な上昇を記録しました。引けにかけてはやや買い戻されていますが、それでも前日比6bp以上の上昇でした。また連日最高値を更新中の株式市場もさすがにこの日は上昇が一服。ダウが37ドル下げるなど、主要株価指数は揃って反落です。

 長期金利の高騰を背景に、ドル円は一時113円08銭まで買われ、約1週間ぶりに113円台を回復する場面もありましたが、まだ上値の重さは払拭されていません。ただ、引き続き米景気は好調さを維持しています。

 昨日の建設可件数も129.8万件でした。建設許可件数は、着工件数の先行指標といわれ、昨日の数字は今後も住宅市場が堅調に推移することを示唆していると言えます。ドル円は113円台を一時的に回復したとはいえ、まだもみ合いから抜け出てはいません。税制改革法案はこのあと、上院ルールに違反する条項が見つかったため、再度下院で採決する必要がありますが、成立には問題がないようです。早ければ週内にもトランプ大統領が署名する可能性もあるようです。

 そして来年にかけて次の材料は「インフラ投資」ということになります。引き続き米金利には上昇圧力がかかってくると思われますが、米金利がある程度上昇すれば、投資対象としての魅力が増してくることも事実で、今後の推移を注視したいと思います。

 本日のドル円は112円50銭~113円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)