ドル円は税制改革法案を巡る懸念から売られ、112円07銭前後まで下落。ユーロ円などの売りも円買いにつながりドルの上値を重くした。ユーロドルは1.18台半ばを超える水準まで上昇したものの、ECBの金融政策発表後に大きく下落。1.1771近辺まで売られ、安値圏で引ける。

 株式市場はディズニーの大型M&Aを好感し朝方は上昇していたものの、午後には下げに転じる。ダウは76ドル下落し、他の主要株価指数も軟調。債券相場は横ばいながらやや下落し、長期金利は小幅に上昇。金は反発。原油はIEAがOPEC主導の減産に自信を示したことで買われ、57ドル台を回復。

新規失業保険申請件数   →  22.5万件
11月小売売上高     → +0.8%

ドル/円   112.07 ~ 112.83
ユーロ/ドル 1.1771 ~ 1.1863
ユーロ/円  132.23~ 133.76
NYダウ   ―76.77 → 24,508.66
GOLD   +8.50 →1,257.10ドル 
WTI    +0.44  → 57.04  
米10年国債 +0.005  → 2.348%

本日の注目イベント

日   日銀短観
欧   ユーロ圏10月貿易収支
米   12月NY連銀製造業景気指数
米   11月鉱工業生産
米   11月設備稼動率

 前日のFOMCに続き、昨日はECBやBOEなどの金融政策が発表されました。そのため、為替市場の主役はユーロやポンドがメインで、円は値動きも鈍かったようです。ECBは2018、19年の経済成長率を上方修正した一方で、インフレ率見通しについては、18年は前回予想からやや上方修正されたが、19年の予想は据え置きました。市場は、これはECBが利上げを急がないことを示唆したものと受けとめユーロが売られました。

 ドラギ総裁は記者会見で、政策委員会の協議は「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」と説明。「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」と述べ、「十分な度合い」の金融緩和はなお必要だと付け加えました。(ブルームバーグ)一時は1.18台半ばまで上昇していたユーロドルはこの決定を受けて、1.17台後半まで売られ、ユーロ円も約1円ほど売られました。

 ECBは、来年1月から量的緩和の月額購入額を300億ユーロ(約4兆円)とし、少なくとも9月末まで継続することを決めていますが、総裁は改めてこのスキームを繰り返し、必要な場合は規模の拡大や期間延長があり得ることも確認しています。景気回復が続くユーロ圏経済ですが、その割りにはやや弱めの見通しと総裁の発言にユーロ売りが活発になりました。

 BOEも政策金利据え置きを決定し、金融政策委員会(MPC)は、景気の展開が予想通りであれば今後数年に「緩やかな追加利上げ」はおそらく必要になるとの見方を重ねて示しています。(ブルームバーグ)BOEは最新の分析で、過去1カ月に2つの「重大イベント」があったと指摘し、11月のハモンド財務相が発表した予算は今後数年の経済成長とインフレの両方を押し上げるだろうと評価し、第2に、EUからの離脱交渉の進展を挙げています。

 小動きな円ですが、前日のFOMCをきっかけに112円台前半まで押し戻され、昨日は112円割れも意識される水準まで円高が進みました。現在日足の雲の中で推移していますが、本日の注目は112円を維持できるかどうかというところです。仮に112円を割り込んだ場合には、111円60-85銭あたりに重要な移動平均線が集まっているため、このレベルが一つのメドと見られます。上値の方は、昨日の戻り高値である112円80-85銭前後が抜けるかどうかに注目していますが、共和党の税制改革法案の行方次第という状況です。

 本日のレンジは111円80銭~112円80銭程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)