ドル円はじり高となり再び113円台に乗せる。長期金利が上昇したことや、債務上限問題に進展が見られ、インフラ計画の報道などで113円16銭までドル高が進み、高値圏で取引を終える。ユーロドルは小動きの中、やや水準を切り下げる。1.1772までユーロ安ドル高が進む。

 株式市場は反発。インフラ投資や債務上限問題解決への期待からダウは70ドル上昇し、ナスダックも36ポイント上げる。債券相場は反落。来月にはインフラ計画が発表されるとの報道が嫌気される。長期金利は2.36%台へと上昇。金は続落し、約4カ月ぶりとなる1253ドルに。原油は前日の急落から反発。


新規失業保険申請件数   →  23.6万件
7-9月期家計純資産   →   1742bドル
10月消費者信用残高   →   20.519bドル

ドル/円112.58 ~ 113.16
ユーロ/ドル1.1772~1.1814
ユーロ/円  132.77~ 133.28
NYダウ   +70.57 → 24,211.48
GOLD   -13.00 →1,253.10ドル 
WTI   +0.73  → 56.69  
米10年国債 +0.021  → 2.360%

本日の注目イベント

日  11月景気ウオッチャー調査
日  10月国際収支
日  7-9月GDP(改定値)
中  中国 11月貿易収支
独  独10月貿易収支
英  英10月鉱工業生産
英  英10月貿易収支
米  11月雇用統計
米  12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
加  カナダ11月住宅着工件数

 ドル円は再び113円台に乗せ、今朝はそのまま113円台で帰ってきました。米長期金利は上昇しましたが、それほど極端な上昇でもなく、昨日のNY市場では株高、金利高以上に、ドル高が進んだ印象です。トランプ大統領がインフラ投資計画を来月発表する予定だというニュースが好感され、さらに債務上限問題では政府機関閉鎖を回避するため、下院では2週間の暫定予算案を可決し、上院でも本日8日までに可決の見通しになった(ブルームバーグ)こともドル高につながった一因かと思われます。

 税制改革については連日報道されており、法人税も35%から20%へと引き下げられることが決まっていますが、トランプ政権のもう一つの柱であるインフラ投資については、市場はほぼ話題にすることはなかった状況です。そのインフラ投資計画が来月発表されるとの報道です。なにしろ10年で1兆ドル(約113兆円)の規模です。財源はまだ詳細が分かっていませんが、一部、あるいはかなりの部分が国債の発行で調達するものと思われます。もしそうであれば国債の需給が崩れることになり、昨日の米債券市場で国債が売られ、金利が上昇したのもこの報道に反応したものです。

 ドル円は直近ではみたび113円台に乗せてきました。チャートを見ると、「4時間足」や「8時間足」などで、多くの抵抗線を抜けて来ました。あとは「日足」の雲の上限である113円35銭前後をしっかりと上抜けできるかどうかです。本日の雇用統計で結果が上振れするようだと、その可能性も出てきます。因みに予想では非農業部門雇用者数は19.5万人で、失業率は4.1%になっていますが、平均賃金が前回よりも伸びているとの予想です。注目されるのはこの賃金の伸び具合です。予想では前月比では0.3%、前年比では2.7%の伸びと見ています。

 上記雇用統計がよほど大きく上振れないかぎり、ここから一段と上昇し、114円を目指す展開にはならないと予想しています。113円台半ばには既にドル売り注文がセットされているようですが、だからと言って抜けないわけではありません。ドル売りのレベルを探すのであれば慎重に構えるべきでしょう。

 債務上限問題やインフレ計画ではトランプ大統領の名前が幾度となく登場しますが、それ以外にもイスラエルの首都をエルサレムに認定したり、ロシアゲート問題では長男が下院情報特別委員会での質問に、秘匿特権を主張するなど、トランプ氏は相変わらず話題が豊富です。TPPやパリ協定からの離脱など、ますます孤立感を深めており、イスラエルの首都問題では国連事務総長からも批判を浴びています。間もなく大統領就任1年になりますが、就任当初から「トランプ氏自身がリスク」と見てきましたが、その見方は変わっていないようです。

 本日は雇用統計もあることからレンジは112円50銭~113円80銭程度とややワイドに予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)