ソラスト <6197> は医療事務・介護・保育関連サービスを展開し、地域の女性人材を活用するため女性が働きやすい職場づくりやICTの積極活用を推進している。18年3月期第2四半期累計は増収・2桁増益だった。通期も増収増益・増配予想である。10月介護サービス利用状況も好調であり、M&A効果も寄与して通期予想は増額の可能性が高いだろう。株価は上場来高値更新の展開だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■医療事務受託を主力に介護・保育サービスも展開
 
 医療事務・介護サービスのパイオニア(旧・日本医療事務センターが12年に現ソラストに社名変更)である。
 
 医療関連受託事業(医療事務請負・派遣)を主力として、介護事業(訪問介護、通所介護、居宅介護支援、グループホーム、有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅など)・保育事業(認可保育所運営)、その他事業(教育サービスなど)を展開している。17年3月期セグメント別売上構成比は医療関連受託事業78%、介護・保育事業21%、その他事業1%だった。
 
 医療関連受託事業では請負が9割強を占め、大病院との長期取引を中心に医療機関取引先は1500以上に達している。介護事業は東名阪地域に展開して、17年3月期末の介護事業所数は246拠点(訪問介護63、デイサービス58、居宅介護支援58、グループホーム24、有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅10、その他33)だった。保育園は13施設(東京都認証保育所12、千葉県認可保育所1)である。
 
 なお17年3月期末連結ベース従業員数2万3747人で女性比率が約90%である。地域の女性人材を活用するため、女性が働きやすい職場づくりとともに、ICTの積極活用も推進している。
 
■離職率低下による生産性向上やM&A活用で中期成長目指す
 
 中期経営ビジョンでは基本戦略を、ICTによるサービスモデル高度化、採用・キャリア支援モデルの強化、M&Aの積極活用として、経営目標値には21年3月期売上高1000億円(セグメント別成長率は医療関連受託事業3%、介護事業30%、保育事業20%)、営業利益70億円(営業利益率は医療関連受託事業15%、介護事業10%、保育事業15%)を掲げている。
 
 医療事務の市場規模は約6800億円(うち約5000億円が潜在市場)と推定され市場開拓余地は大きい。医療関連受託事業における利益率向上に向けた戦略としては、原価の大部分を占める人件費に関して、無駄の削減・効率性の向上、定着率・モチベーションの向上、離職率の飛躍的な低下を目指している。
 
 社員退職に伴う配置転換や新入社員の教育などに係る無駄を減らすことで現場の生産性を改善し、全社的なコスト競争力の向上や売上成長に繋げるため、ICTを積極活用し、コミュニケーションの向上、業務・職場環境の改善、待遇改善などを通じて離職率を大幅に低下させる方針だ。
 
 16年11月には沖電気工業 <6703> と医療事務関連分野で業務提携した。ICTを活用して病院における患者サービスの向上や受付業務の効率化を推進することを目指し、最初の取り組みとして患者情報自動登録システムを共同開発する。その他の業務についてもICTの順次導入を推進する方針だ。
 
 介護事業はM&Aを積極活用して中期成長を目指している。17年3月期には、神奈川県で通所介護事業を展開する住センターなど、事業譲受や子会社化などで11件のM&Aを実行した。18年3月期売上高への貢献は15億円の見込みである。17年10月には通所介護(デイサービス)中心に介護事業所35ヶ所を運営するベストケア(愛媛県松山市、16年9月期売上高28億66百万円)の全株式を取得して子会社化した。
 
 また17年10月には、首都圏で主に施設系介護サービスを展開する日本ケアリンク(東京都、17年3月期売上高42億45百万円)の株式を取得(11月30日予定)して子会社化すると発表している。
 
 さらに通所介護における業務効率化と顧客満足度向上を目的として、インフォコム <4348> と協働で介護記録システム「Daily」を構築し、全事業所への導入を推進している。
 
 人工知能を活用して新入社員の離職を防ぐ取り組みも開始している。データ解析事業を手掛けるFRONTEO <2158> が独自開発した人工知能エンジン「KIBIT」を用いて、新入社員の面談記録から不安や不満を抱える人を早期に発見してフォローを行い、社員の離職防止や定着率向上に向けた取り組みを推進する。
 
■18年3月期2Q累計は増収・2桁増益
 
 今期(18年3月期)第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比9.4%増の352億63百万円、営業利益が11.8%増の19億66百万円、経常利益が14.8%増の19億67百万円、そして純利益が13.7%増の12億63百万円だった。
 
 医療関連受託、介護・保育とも好調に推移した。増収効果や生産性改善効果でM&A費用や人材投資費用を吸収した。売上総利益率は17.2%で0.6ポイント上昇、販管費比率は11.6%で0.4ポイント上昇した。
 
 医療関連受託は売上高が5.7%増の265億91百万円で営業利益が16.8%増の26億78百万円だった。医療機関からの新規契約獲得や既存顧客との取引拡大に加えて、離職率の低下による利益率改善も寄与した。営業利益率は1.0ポイント上昇して10.1%となった。
 
 介護・保育は売上高が24.6%増の83億円で営業利益が0.7%増の4億42百万円だった。M&Aの一時的費用増加を吸収した。期末事業所数は介護が17年3月末比36ヶ所増加の282ヶ所、保育が1ヶ所増加の14ヶ所となった。
 
 その他(キャリアセンターなど)は売上高が11.8%減の3億71百万円で営業利益が1億18百万円の赤字(前年同期は73百万円の赤字)だった。教育事業の受講者数が減少した一方で、トレーニングの積極的実施による費用が増加した。
 
■18年3月期通期も増収増益・増配予想で増額の可能性
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(5月9日公表)は売上高が前期(17年3月期)比7.0%増の700億03百万円、営業利益が10.3%増の40億32百万円、経常利益が10.7%増の40億15百万円、純利益が6.7%増の26億40百万円としている。5期連続増収増益予想である。
 
 医療関連受託では離職率低下による生産性向上と利益率改善が進展し、介護では前期のM&Aも寄与して利用者数が増加基調である。M&A関連費用や社員待遇改善に伴う人材投資費用の増加を吸収する。
 
 配当予想は同1円増配の年間44円(第2四半期末21円、期末23円)としている。予想配当性向は50.6%となる。配当政策は、安定した配当を継続することを基本方針として、配当性向は50%を目安としている。
 
 セグメント別の計画は、医療関連受託の売上高が2.3%増の520億円で営業利益が13.0%増の55億95百万円、介護・保育の売上高が24.7%増の172億88百万円で営業利益が14.7%増の10億14百万円、その他事業の売上高が2.5%減の7億15百万円で営業利益が3億84百万円の赤字(前期は2億26百万円の赤字)としている。
 
 17年10月介護サービス利用状況(速報値)によると、月間サービス利用者数は訪問介護が前年同月比22.7%増、デイサービスが32.0%増といずれも好調に推移している。施設系サービスの月末入居率はグループホーム97.3%、有料老人ホーム99.2%、サービス付高齢者向け住宅94.0%だった。いずれも高水準を維持している。介護サービス拠点数は合計321拠点で17年3月末比75拠点増加した。
 
 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が50.4%、営業利益が48.8%、経常利益が49.0%、純利益が47.8%である。M&A効果も考慮すれば通期会社予想は増額の可能性が高いだろう。
 
 なおベストケアと日本ケアリンクを第3四半期から新規連結する。その他のM&Aも含めると、介護の売上規模は年間ベースで約232億円となる。そして医療関連受託、保育も含めた全社ベースの年間売上規模は約800億円となる。中期成長シナリオに変化はなく収益拡大基調が期待される。
 
■株価は上場来高値更新の展開、好業績評価して上値試す
 
 株価は上場来高値更新の展開だ。11月28日には2609円まで上伸した。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
 
 11月28日の終値2557円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS86円90銭で算出)は29~30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS337円64銭で算出)は7.6倍近辺である。時価総額は約782億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)