ドル円は良好な経済指標や株高から111円64銭まで上昇。北朝鮮がミサイルを発射したとの報道で111円20銭前後まで下げる場面もあったが、影響は限定的だった。ユーロはドルの買い戻しが強まったことからやや軟調な展開。1.1825まで売られ、1.19台がやや重くなる。

 株式市場は大幅に上昇。税制改革法案が上院で可決されたことや、消費者マインドが17年ぶりの高水準を記録したことなどが材料に。ダウは255ドル上昇し、最高値を更新するとともに、2万4000ドルも視野に。債券市場は小幅に続伸。長期金利は2.32%台へ小幅に低下。金はほぼ変わらず。原油価格は続落。

9月FHFA住宅価格指数        → +0.3%
9月ケース・シラ-住宅価格指数   → +6.19%
11月消費者信頼感指数        →  129.5
11月リッチモンド連銀製造業指数  →  30

ドル/円111.20 ~ 111.64
ユーロ/ドル1.1825 ~1.1900
ユーロ/円  131.72~ 132.41
NYダウ   +255.93 → 23,836.71
GOLD   +0.50 →1,294.90ドル 
WTI   -0.12  → 57.99  
米10年国債 -0.004  → 2.324%

 本日の注目イベント

独   独11月消費者物価指数(速報値)
仏   仏7-9月期GDP
欧   ユーロ圏11月消費者信頼感(確報値)
英   英10月消費者信用残高
米   7-9月GDP(改定値)
米   10月中古住宅販売成約指数
米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
米   イエレン・FRB議長、上下合同経済委員会で証言
米   ダドリー・NY連銀総裁講演
米   ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演

 前日に、北朝鮮がミサイル発射の準備を行っているとの報道がありましたが、今朝方3時18分ごろ、ミサイル1発が発射されたことが確認されました。9月16日を最後に、軍事的挑発行為を断ってきた北朝鮮が再びミサイル発射という行為に出たことで、トランプ大統領はホワイトハウスで、「米国が北朝鮮の直近のミサイル発射に対処するだろう」と述べ、記者団に対しても「われわれがそれに対応すると、あなたたちに言っておく。われわれが対処する事態だ」と語っています。(ブルームバーグ)。

 ただ今回のミサイル発射は市場への影響はほとんどなかった模様です。昨日はいろいろなニュースが市場を駆け巡り、為替は神経質な動きを見せましたが、全体的にはドルが買い戻される展開でした。ドル円は一時111円64銭前後まで上昇しました。株高や良好な消費者マインドなどに支えられ、ドルを買い戻す動きがやや強まったところでしたが、北朝鮮のミサイル発射の報道に111円20銭辺りまでドルが売られる場面もありましたが、影響はその程度で終わっています。

 次期FRB議長への就任が決まっているパウエル氏が、公聴会で金融政策に関する考えを披露しました。パウエル氏は「次回会合で利上げの根拠は強まりつつあると思う」と述べ、「経済情勢がそれを裏付けている」と続けています。その上でパウエル氏は利上げに賛成票を投じるとは保証できないとし、会合で他のFOMC参加者の見解を聞く必要があるためだと説明しました。また金利については、「金利は今後上昇を続けると確信している」と述べています。(ブルームバーグ)

 ドル円は前日111円割れはありましたが、そこから反発してきました。短期的な動きを示す「1時間足」では、約2週間ぶりに「雲抜け」を完成させています。このまま上昇傾向に転ずるとも思えませんが、110円台を固めてくる可能性はあります。昨日もそうでしたが、ドルの下値は良好な経済指標が支える構図は続いており、長期金利の低下傾向がドルの反発を抑制している状況です。昨日発表された11月の消費者マインドは「129.5」と、実に17年ぶりの高水準でした。この指標を受け、シティーグループが公表している「びっくり指数」は「127.62」と、2014年1月以来の水準に跳ね上がりました。発表された多くの経済指標が予想を上回っていることを示しています。

 本日のドル円は上値を試す展開を予想しますが、株価にはなかなか反応しないドル円ということもあり、それ程期待はできないかもしれません。上値のメドは「200日線」がある111円83銭前後と、それが抜けたら112円前後が意識されます。北朝鮮が再びミサイルを発射したことで、ボールは米国側に投げられた格好です。トランプ大統領がどのような対応に出るのかが最大の関心事ですが、何もなければ市場への影響は限定的と見ます。

 予想レンジは111円20銭~112円20銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)