ユーロ/ドル相場の出直りが鮮明となっている。今月7日に1.1550ドル台まで調整して4カ月ぶりの安値を付けたが、前週末24日には1.1940ドル台へと持ち直しており、心理的節目の1.2000ドルや、9月に付けた2015年1月以来の高値1.2090ドル台も視野に入ってきた。

 足元のユーロ買い材料は、難航していた独連立協議に新たな道が見えた事だ。メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立を解消して下野する方針を選挙前から示していた第2党のドイツ社会民主党(SPD)が、政治停滞の回避に向けてメルケル首相と協議する事が明らかとなった。もっとも、この協議がどのように進展するのか不透明な部分も少なくない。SPDが連立に加わるとなれば選挙公約違反になりかねず、シュルツ党首の進退問題に発展する可能性もある。一部の報道によれば、SPDとしては大連立には加わらず、少数政権に反対しない形で間接的にメルケル首相を支持する事も選択肢のひとつとされる。

 現段階で、独連立政権の樹立を期待してユーロを買い進めるには決め手が足りないと言わざるを得ない。再び協議が難航すればユーロ売りに反転するリスクを考慮しないわけには行かないだろう。そのほか、今週は米上院議会で税制改革法案の審議が再開する。この審議の行方がドルの動向を左右する公算が大きく、場合によってはユーロ/ドル相場に下落圧力がかかる可能性もある。こうしてみると、ユーロ/ドルの1.2000ドルは、近くて遠い水準と言えるかもしれない。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)