エイトレッド <3969> (東マ)は、ワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。導入企業・クラウド利用数が順調に増加し、ストック収益も拡大して18年3月期2桁増収増益予想である。そして増額の可能性がありそうだ。また11月16日に基準日17年12月16日(実質15日)の株式3分割を発表している。株価は株式3分割発表を好感して急伸し、底放れの形となった。戻りを試すが期待される。
 
■ワークフローシステムを開発・販売
 
 07年4月ソフトクリエイトホールディングス(旧:ソフトクリエイト) <3371> のワークフロー事業を会社分割して設立、07年5月SCSK(旧:住商情報システム) <9719> が資本参加、16年12月東証マザーズに新規上場した。ソフトクリエイトホールディングスの連結子会社である。
 
 ワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。ワークフローというのは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書などの作成~申請~回覧~承認~保存~履歴管理のように、企業内における業務・事務処理手続きの一連の流れ・プロセス(または一連の流れ・プロセスを可視化した図式)のことである。
 
 このワークフローをコンピュータに組み入れて、従来の紙文書での手書き・回覧作業を、パソコン・スマホ入力で電子文書化することによって、業務負担の軽減、ペーパーレス化、回覧に要する時間の短縮、書類の紛失防止など、業務効率化・迅速化やセキュリティ向上を実現するシステムが「ワークフローシステム」である。
 
 現在の主力製品は、パッケージ型の小規模・中規模企業向けX-point(エクスポイント、03年販売開始、12年メジャーバージョンアップ)、中規模・大規模企業向けAgileWorks(アジャイルワークス、09年販売開始)、クラウド型の小規模企業向けX-point Cloud(エクスポイントクラウド、11年販売開始)である。
 
 いずれの製品も、Webブラウザ上で「まるで紙に書くように」利用できる紙イメージの入力画面を備え、ITの知識が無くても簡単に稟議書などを作成できる操作性を共通の特徴としている。またグループウェア(組織内部におけるスケジュールやタスクなどの情報共有を目的としたコミュニケーションツール)や、外部システムとの連携も可能である。
 
 なお17年5月には、新サービスとしてクラウドアプリプラットフォームのATLED Work Platform(エイトレッドワークプラットフォーム)の提供を開始した。ワークフローシステムが標準搭載されたマルチテナント型クラウドアプリケーションプラットフォームである。プラットフォーム利用者は、短期間でワークフローシステムと組み合わせたアプリケーションを構築でき、自社ブランドのオリジナルソリューションとして顧客にサービス提供できる。
 
 販売面では、SCSKなど幅広い顧客層をカバーする大手SIとのパートナー関係も構築している。そして03年のX-point販売開始以来、スモールビジネスから大手企業まで2000社を超えるパッケージ製品導入実績を誇り、国内ワークフローシステム市場において6年連続シェア1位(株式会社ミック経済研究所調べ)を獲得している。
 
■ワークフローシステムの市場は拡大基調
 
 ワークフローシステム市場は、09年度から15年度まで年平均13.5%(株式会社ミック経済研究所調べ)と高成長を続けている。しかし依然としてワークフローシステムによる電子文書化を導入せず、紙・手書きベースでの業務・事務処理に依存している企業が多いため潜在市場は大きい。また在宅勤務やテレワークといった働き方改革の推進、企業不祥事防止のための内部統制強化の流れなども背景として、市場は拡大基調が期待される。
 
 こうした事業環境に対応し、中期成長戦略として営業の強化、アライアンスパートナーの開拓、製品機能の強化、クラウド対応の拡大などの施策を推進する方針だ。
 
■導入企業増加してストック型収益比率も上昇基調
 
 17年3月期の製品別売上高は、X-pointが16年3月期比3.1%減の4億72百万円、AgileWorksが32.7%増の3億22百万円、X-point Cloudが46.0%増の1億66百万円だった。
 
 ストック売上高(サービス&サポート)の比率は53.9%で2.4ポイント上昇した。また17年3月期末のパッケージ導入社数は16年3月期末比362社増加の2026社、クラウド利用ユーザー数は7555増加の2万4280となった。導入企業が増加してストック型収益比率も上昇基調である。
 
■18年3月期2Q累計は増収増益
 
 今期(18年3月期)第2四半期累計(4~9月)の非連結業績は、売上高が前年同期比7.5%増の5億27百万円、営業利益が3.6%増の1億60百万円、経常利益が4.7%増の1億60百万円、純利益が8.8%増の1億07百万円だった。新規導入企業数が増加して増収増益だった。売上総利益率は75.0%で0.1ポイント低下、販管費比率は44.6%で1.0ポイント上昇した。
 
 パッケージソフト売上高は、X-pointのVer2.0への移行案件の反動減で、1.0%減の4億12百万円(フローが13.0%減の2億03百万円、ストックが14.2%増の2億09百万円)だった。クラウドサービス売上高は、新規導入企業数が順調に増加して、55.9%増の1億14百万円(フローが70.3%増の17百万円、ストックが53.5%増の96百万円)だった。
 
■18年3月期2桁増収増益予想で増額の可能性
 
 今期(18年3月期)非連結業績予想(4月27日公表)は売上高が前期(17年3月期)比19.6%増の11億50百万円、営業利益が16.5%増の3億36百万円、経常利益が20.6%増の3億36百万円、純利益が16.0%増の2億21百万円としている。
 
 中規模・大規模企業向けやクラウド対応の大幅伸長が牽引し、積極的な人員採用に伴う人件費増加などを吸収して2桁増収増益予想である。製品別売上高の計画はX-pointが1.5%増の4億80百万円、AgileWorksが39.7%増の4億50百万円、X-point Cloudが32.0%増の2億20百万円としている。
 
 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.8%、営業利益が47.6%、経常利益が47.6%、純利益が48.4%である。システム投資関連で下期の収益構成比が高い特性を考慮すれば高水準と言えそうだ。またストック型収益構造であることも考慮すれば通期会社予想に増額の可能性がありそうだ。
 
 なお11月16日に株式分割を発表した。17年12月16日(実質15日)を基準日(効力発生日17年12月17日)として1株を3株に分割する。これに伴って期末の配当予想を15円50銭から5円17銭に修正した。株式3分割前に換算すると15円51銭となり、実質的に1銭増額修正となる。また年間ベースに換算すると31円01銭となり、17年3月期の年間28円47銭に対して2円54銭増配となる。
 
■株主優待制度は9月末と3月末の年2回実施
 
 株主優待制度は年2回、毎年9月末および3月末時点の株主を対象として、保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈する。17年9月末から実施した。なお株式3分割に伴って18年3月末の贈呈区分が変更(詳細は会社HP参照)となる。
 
■株価は底放れ、基調転換して戻り試す
 
 株価は安値圏3000円近辺でモミ合う形だったが、株式分割発表を好感して急伸し、底放れの形となった。11月20日には3530円まで上伸した。
 
 11月22日の終値3430円を指標面(17年12月16日付株式3分割前)で見ると、今期予想PER(会社予想EPS100円45銭で算出)は34倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間31円で算出)は0.9%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS586円58銭で算出)は5.8倍近辺である。時価総額は約75億円である。
 
 週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。底放れて基調転換した形だ。戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)