為替は先週も、大きな動きはなく、1ドル=113円~114円台で膠着しています。最近の値動きを振り返って確認しておきましょう。9月に107円で底打ちしてから円安トレンド入り。10月に一時、反転しようかという動きも見られましたが踏ん張って、円安トレンドが継続。潜在的には115円に到達するくらいの相場エネルギーはあると見なしてきましたが、10月下旬から今月にかけて、114円までなら比較的容易に円安が進むものの、今までのところ115円には一度もタッチできず。結果的に、今年5月および今年7月の円安局面と同じく、114円の水準で上値を押さえつけられて、それ以上の円安が阻まれています。
 
 さて今週の見通しについて。重要なポイントは今月これまでと変わりません。ずばり113円をキープできるかどうか?円安になっても114円までが限界で、すぐに押し戻される展開が、先月下旬から毎日のように繰り返されており、テクニカル分析における円安の勢いや流れといったものが、失われた状態にあります。ここから、115円に向けて最後のもうひと伸びが生じるには、トランプ政権が目指す大型減税法案が成立するとか、アメリカが予想以上に追加利上げに積極的になるとか、何らかのインパクトのあるニュースがないと、なかなか難しいかもしれません。今週もし、113円を割り込むような展開になりますと、しばらく円高局面に入るシナリオが想定されます。その場合、具体的には、控えめに計測して112円近辺が第一の円高メドとして浮上します。その次に、第二のメドとして111円を割れて110円台が浮上。
 
 今月、注目しておりましたユーロ円。1ユーロ=132円に重要な節目・攻防ラインがあると指摘してきました。本当にしぶといです。先週も、一時的に132円を割れる場面が何度もありましたが、連日、終値では132円を死守。結果的に、9月後半以降の高値圏のレンジ(およそ132円~134円台のレンジ)が継続しています。もちろん、レンジから上方に抜けるケースもあるわけですが、現状、チャート分析の観点では、下方に崩れる可能性がどちらかというと高いという見方をしたい状況だと思います。
 
 トルコリラ円について。最近、下落していて心配されている方も多いと思いますが、とりあえず当初の見通し通り、1リラ=29円近辺で下げ止まっています(先週の安値は29.1円)。トルコに深刻な問題があるというわけではなく(先月表面化したトルコ政府とアメリカ政府の対立も、お互いに対立激化は避けようという意向が感じられるので大丈夫と思います)、問題は、アメリカの好景気・利上げ期待を背景に、トルコなど新興国通貨から、米ドルへ投資マネーが還流する現象。チャート分析の観点では、最悪のシナリオとしては、新興国通貨安の流れが一時的に急加速した場合、トルコリラ円も最悪ここからさらに1円くらい急落する可能性もなくはないのですが、そのような場合も、当初メド29円近辺には一旦戻りやすいのではないかと見ています。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)