ドル円は再び114円台に。ECBの政策発表を受けてドル高が進み、114円08銭まで買われた。次期FRB議長にタカ派のテイラー氏が有力との見方もドルを支える。ユーロドルは大きく下落。ECBが量的緩和の縮小を決めたが、予想よりやや「ハト派的」だったことでユーロ売りドル買いが膨らむ。ユーロドルは1.1641まで売られ、3カ月ぶりのユーロ安水準を示現。

 株式市場は反発したが、ナスダック指数は小幅に下落。引き続き企業の好決算が相場の上昇を牽引し、ダウは71ドル高で取引を終える。債券相場は続伸。10年債利回りは2.46%台に上昇。ドル高を背景に金は下落。原油価格は上昇。


新規失業保険申請件数   →  23.3万件

9月中古住宅販売成約指数 →  0.0%

ドル/円113.62 ~ 114.08

ユーロ/ドル1.1641 ~1.1785

ユーロ/円  132.65~ 133.97

NYダウ  +71.40 → 23,400.86

GOLD  -9.40 →1,269.60ドル 

WTI  +0.46→ 52.64  

米10年国債  +0.029 → 2.461%


本日の注目イベント

豪  豪第3四半期生産者物価指数
日  9月消費者物価指数
中  中国 9月工業利益
米  7-9月GDP(速報値)
米  10月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

 ドル円は再び上昇して、114円台に乗せる場面があり、NY市場の引け値でも114円近辺で取引を終えました。これまで3度ほど114円台前半までドルが買われてきましたが、いずれも113円台半ば近辺まで押し戻されて東京市場に戻って来ました。今回は114円前後と、これまでとはやや水準が異なっています。昨日の動きはECBの政策発表で、ドルが買われユーロが売られた影響が大きく、対円でもドルが買われたものと思われます。

 ECBは昨日の理事会で量的緩和の縮小を決め、「出口」に向け一歩歩みを進めました。今年12月までの、月間債券購入額600億ユーロ(約8兆円)を300億ユーロに減額し、実施期間を2018年1月から9月までとしました。この決定はほぼ市場予想に沿ったものでしたが、声明文で、9月以降も必要に応じ、規模と期間を拡大・延長できるとの文言を維持したことが「ハト派的」と受け止められ、ドル買いユーロ売りが加速しました。

 ユーロドルはそれまで買われていた反動もあり、1.1641まで売られ、約3カ月ぶりのユーロ安を記録しています。ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」と述べ、「(購入を)突然終了することはない」と強調しています。

 声明文で、今後も緩和規模を元に戻すこともありうるとの文言を残したECBでしたが、背景には、依然として賃金の上昇やインフレ率に不透明な部分があり、今後の景気拡大にはまだ自信が持てないことの表れではないかと思われます。景気の底を確認し、量的緩和の効果から順調に回復基調にあるユーロ圏の景気を、ここで量的緩和を終了させ、再び逆戻りさせてはならないとの配慮と見られます。結局、「出口」へは急がないという意思表示だったと受けとめています。

 ドル円は依然として114円台が重い展開ですが、その割には下値を試すふうでもありません。近々発表される次期FRB議長には、最新の情報ではパウエルFRB理事が最有力のようですが、テイラー氏の可能性が消えたわけではありません。仮にパウエル氏が議長に指名されても、今月、フィシャー副議長が辞任しており、その後任にテイラー氏が就任する可能性もあります。

 副議長として「執行部入り」することになれば、テイラー氏の政策理念が今後のFRBの政策決定に大きな影響を与えることも考えられ、このあたりがドルが底堅い一因にもなっているようです。また米下院での可決が懸念されていた2018年度の連邦政府予算決議案が昨日可決したことで、「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」(ブルームバーグ)と、ライアン米下院議長が述べているように、税制改革の実現でも一歩前進しています。

 ドル円はNY市場では114円前後で引け、今朝は114円台で推移しています。上述の理由に加え、米長期金利の上昇傾向もドルを支える構図になっています。本日は東京時間内で114円台が維持できるかどうかという点と、仮に押し戻されても113円台後半で踏ん張りきれるのかが注目されます。本日の予想レンジは、やや上目線で見ていることから113円70銭~114円70銭程度と、あえてドルの上昇を想定してみました。米第3四半期GDP速報値がドル高を牽引してくれればいいと思っていますが、ここはあくまでも個人的な予想にすぎません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)