10月24日に閉幕した中国共産党第19回全国代表大会(党大会)は、最終日に「習近平思想」を今後の行動指針に定めた。大和総研経済調査部の主席研究員、齋藤尚登氏は10月26日、「『ポスト習近平』は習近平?」というレポート(全6ページ)を発表し、共産党の人事から今後の政策を考察した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆2017年10月18日~24日に開催された中国共産党第19回全国代表大会(党大会)は、最終日に党規約の修正案を承認し、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」が、行動指針として明記された。習近平氏は現指導部の中で別格の扱いとなる。一方で、注目されていた「党主席」ポストの復活はなかった。
 
◆10月25日に開催された第19期中央委員会第1回全体会議(一中全会)で、新指導部が選出された。「ポスト習近平」の不在は、今後、習近平総書記が内規の引退年齢引き上げを根回しし、3期目続投を図るための布石であるのかもしれない。
 
◆2018年3月の全国人民代表大会(全人代)で国務院(内閣)の人事が確定する。経済面で注目されるのは、習近平総書記の経済ブレーンである劉鶴氏の処遇である。中国共産党は2013年11月に、今後の改革の青写真を発表したが、これは劉鶴氏が起草の中心メンバーであったとされる。青写真では、過剰生産能力と新規債務増加の抑制、さらには人々の健康状態を政績(政治的な成績)表評価項目の重点として新たに加え、持続可能な成長を目指した政策を打ち出すなど、ポジティブに評価できる面も多かった。劉鶴氏が今後、どのような役割を担い、政策を実行していくのか、大いに注目されよう。(情報提供:大和総研)(写真は国境なき記者団の2015年フランスでの展示。国境なき記者団は報道の自由度の低い国として中国を批判している。提供:(C)adrianhancu/123RF)