先端技術の集積地として知られるイスラエルには、フィンテック企業も多く。現在、230以上の企業がフィンテック分野で競い合い、うち約8割がスタートアップ企業となっている。在日イスラエル大使館は、イスラエルと日本の経済交流の促進をめざし、選りすぐりのフィンテックベンチャー企業を日本に招いて、10月23日~25日にかけて、京都と東京でプレゼンテーションやビジネスマッチングの機会を設けた。イスラエルからは、AI(人工知能)、モバイル決済プラットフォーム、ブロックチェーンなど先端技術によって大きな成長のチャンスをつかんでいる企業が来日した。イスラエル企業が合同で、日本においてフィンテックをテーマにしたビジネスセミナーを開催するのは初めて。

 イスラエルのビンヤミン・ネタニヤフ首相が2014年5月に来日し、安倍晋三総理がイスラエルを15年1月に訪問してネタニヤフ首相と会談して以来、日本とイスラエルの経済交流が活発化。日本とイスラエルの間には、R&D協定や投資協定などビジネス面での数多くの協定が結ばれている。そして、17年5月には世耕弘成経済産業大臣がイスラエルのエリー・コーヘン大臣と会談し、「日本イスラエル・イノベーション・ネットワーク(JIIN)の設立」、および、「サイバーセキュリティ上の共同トレーニングプログラムの設立」で合意した。

 また、17年6月にはソフトバンクがイスラエルのサイバーセキュリティ会社のCybereasonに1億ドルの投資を実施。ストレスをデジタル監視するAIを開発しているElegant Monkeysに村田製作所が数百万ドルを出資するなど、民間レベルでの交流も活発に行われている。

 今回来日した企業群は、Techfinancialsは金融取引プラットフォームを提供している。ブロックチェーン技術を活かしたダイヤモンドの取引プラットフォームの構築をめざすCEDEXとともに来日し、「ダイヤモンドを金などの貴金属と同じようなコモディティとして取引ができるようにしたい」と、日本企業からの出資を求めた。

 PayMeは、金融機関向けにホワイトラベルのワンストップ決済ソリューションを提供する会社。すでにイスラエル国内の多くの銀行にサービスを提供している他、欧州や米国の1万以上の業者が同社のプラットフォームを使い始めている。日本の金融機関との連携を進めたいとした。

 PayKeyは、ソーシャルネットワークを活用したソーシャルペイメントサービスを開発。特許を出願しているモバイルペイメント・キーボードなどのユニークな技術で、P2P(ピア・ツー・ピア)決済サービスをサポートする。すでに、シティバンク、コメルツバンク、マスターカードなどが導入し、日本ではSBIインベストメントのFinTechファンドから出資を受けている。

 その他、モバイル決済プラットフォームを提供するPayBox、金融機関や投資アドバイザー向けの金融ソリューションを提供するnummularii、AIと機会学習によって金融商品のマーケット予測システムを提供するI Know First、資産をビットコインのブロックチェーンに置くという世界初のソフトウェアの基礎を築いたChromaWay、通貨をデジタル化してフリクションレスなトレードを可能にするBitMinが来日し、日本企業とのパートナーシップを求めていた。

 今後もイスラエル大使館経済部らが後押しするビジネスイベントは、11月29日にJIIN ビジネスフォーラムが東京アメリカンクラブで開催。11月30日にはホテルニューオータニ東京でCybertech Tokyoが予定されている。(写真は、東京・大手町でのセミナーであいさつに立ったイスラエル大使館のNoa Acher氏)