台湾で唯一の非政府系、非民族系の大手銀行である玉山(E.SUN、イーサン、ユイシャン)銀行が10月20日、東京・丸の内で記者発表会を開催した。10月5日に日本初開設となる東京支店をオープンしている。玉山銀行は、台湾証券取引所に上場し、総資産は約650億ドル(約7.35兆円)。日本は9カ国・地域目の進出国になる。玉山銀行総経理(CEO)の黄男州氏(写真:右)は、「デジタルバンキングでの技術力を活かして訪日台湾人の日本における利便性を拡充し、アジアのネットワークを活かして日本の中小企業の金融ニーズにも積極的に応えていきたい」と語り、日本の地方銀行との連携にも意欲を見せた。

 玉山銀行は、台湾で138カ店を展開し、香港、シンガポール、ロサンゼルス、ドンナイ(ベトナム)、シドニー、ヤンゴン(ミャンマー)、東京に海外支店を設置。カンボジア(13カ店)と中国(4カ店)に現地法人を持つアジアの有力銀行。「玉山」とは台湾の中央部に位置する最高峰の名前。「玉山のように最高のサービスを提供し、もっとも尊敬される企業をめざす」(黄氏)としている。台湾における中小企業向け貸し出しでトップの実績があり、The Asian Banker誌が実施するアワードでアジア大洋州最優秀銀行に選ばれている。また、台湾の金融機関で唯一、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)に選定されている。

 東京支店は、東京駅正面の丸ビルに開設。日本や台湾企業への外国為替(当面は日本円と米ドル)、与信サービス、また、日本における金融市場取引を行っている。東京支店長に就任した林國維氏は流ちょうな日本語で、「東京支店は、台湾と日本をつなぐ架け橋でありたい。また、日本の企業とアジアをつなぐプラットフォームの役割を果たしたい」と、日本の企業向け融資に積極的に取り組む姿勢をみせた。「日本の3大メガバンクは等しく友好関係にあるが、今後、地方銀行との連携も積極的に推進し、日本の中小企業のお役に立ちたい」と語っている。

 一方、年間400万人を超える台湾からの訪日旅行者向けには、「携帯電話やスマートフォンを1台持っているだけで、台湾からの旅行者は日本での買い物に困らないようにしたい。2020年の東京オリンピックの開催までに日本における電子決済サービス基盤を築き上げたい」(黄氏)としている。NTTデータと提携し、台湾向けのクロスボーダーECサービスの提供を計画するなど、日本の企業との連携も積極的に進める考えだ。(写真は、玉山銀行の東京支店長・林國維氏(左)と総経理・CEOの黄男州氏(右))