一時は既定路線と思えた英中銀(BOE)の11月利上げが不透明になってきた。昨日、英議会で行われた証言で、ラムスデン新副総裁は、自身の立場について「数カ月で利上げが必要になりそうだと考える英中銀政策立案者の多数派には属していない」と説明。また、金融政策委員会(MPC)の新メンバーであるテンレイロ委員に至っては「11月の利上げに賛成する準備はできていない」と明言した。
 
 前回(9月)のMPCでは、金融政策の据え置きを賛成7、反対(利上げ支持)2で決定したが、次回11月2日のMPCで利上げを決めるためには、前回据え置きに賛成した7人のうち少なくとも3人が反対に回る必要がある。今回のラムスデン副総裁とテンレイロ委員の「利上げ不支持表明」によって、その可能性は低下したと考えるべきだろう。
 
 なお、カーニーBOE総裁は昨日の証言で「今後数ヶ月内」の利上げを支持する考えを示しながらも、「BOEは雇用創出と成長を後押しする必要性と、目標を上回る可能性があるインフレ率との間でバランスを取らなくてはならない」と述べて、金融政策の決定が「データ次第」であるとの考えを強調した。
 
 そうした中、本日の英雇用統計ではインフレ圧力の観点から6-8月平均賃金が注目されよう。市場予想は前年比+2.1%となっているが、2%台前半の伸び率ではインフレを高めるには力不足だ。仮に予想を下回る伸びにとどまれば、利上げ期待が一段と後退する事になり、ポンド安を誘発する公算が大きい。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)