ドル円は米経済指標や、次期FRB議長人事を巡る思惑からドルが買われ、一時112円29銭までドル高が進む。長期金利も上昇し、ドルが買われる材料が並んだが、北朝鮮問題などが重石に。ユーロドルは反落し、1.1786まで売られる。オーストリア選挙で極右が台頭し、スペイン・カタルーニャ州の独立問題などと共に、政治的リスクが意識された。株式市場は上昇。NY連銀製造業景況指数が予想を上回る高水準だったことを好感しダウは85ドル高と、2万3000ドル目前まで上昇。債券相場は反落。イエレン議長が講演で、インフレが低水準であっても利上げが正当化されると発言したことが材料に。長期金利は2.30%台まで上昇。金は反落し、原油価格は続伸。

10月NY連銀製造業景気指数  → 30.2

ドル/円111.66 ~ 112.29
ユーロ/ドル1.1786 ~1.1820
ユーロ/円  131.71~ 132.37
NYダウ  +85.24 → 22,956.96
GOLD  -1.64 →1,303.00ドル 
WTI  +0.42→ 51.87  
米10年国債  +0.030  → 2.303%

 本日の注目イベント

豪   RBA議事録
独   独10月ZEW景況感指数
欧   ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
英   英9月物価統計
米   9月鉱工業生産
米   10月NAHB住宅市場指数
米   9月設備稼動率
米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米   企業決算 → ジョンソン&ジョンソン、モルガン・スタンレー、ゴールドマン、IBM
  
 日米共に株価の上昇が続き、昨日は日経平均が10日連騰し、実に2年4カ月ぶりの記録でした。一方昨日のNY株式市場でも株価は堅調に推移し、ダウは上昇。2万3000ドルの大台に4ドル強と迫る最高値を更新し、S&P500も負けじと最高値を更新しています。ドル円は112円台を回復したものの、上値は112円30銭前後で抑えられて取引を終えています。ドル円の上値が重いのは、北朝鮮問題が常にリスク要因として意識されていることはもちろんですが、米国の長期金利がなかなか上昇して来ないことが大きな要因だと考えられます。

 ドル円と米金利の相関については、この欄でも何度も紹介していますが、長期金利は昨日の引け値では2.30%台でした。因みに、今年6月末の金利水準もほぼ同レベルでしたが、この時のドル円は111円台後半から112円台前半で推移し、足元の水準とほぼ同じです。つまり、ドル円と米長期金利の相関関係は機能しており、違和感はないということになります。

 株価が連日最高値を更新し、今後さらに株価が上昇すると予想するなら、大量の資金が債券から株にシフトします。その結果、株価は大きく上昇し、債券が大きく売られることで金利が上昇し、ドル高を誘引することになります。しかしこのところの動きでは、株価は順調に上昇してはいるものの、金利は2.2%台から2.3%台で一進一退です。市場は、金利は今後も大幅には上昇しないと予想していることが背景です。昨日のイエレン議長の「インフレが低水準でも段階的な利上げが正当化される」との発言は、この予想に一石を投じたことになりましたが、そ
れでも長期金利は2.303%止まりでした。

 株式と債券が同時に買われるという「適温相場」が続いているわけですが、このままさらに長期間続くということはありません。株が買われすぎなのか、債券が買われすぎなのか、「調整」あるいは「修正」はいずれ来るはずです。ブルームバーグは、次期FRB議長候補の一人である、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授が、トランプ大統領とFRB議長職に関する面談で、大統領に好印象を与えたと、複数の関係者の証言として報じました。この報道がドル円を112円台へと押し上げたようですが、早ければ今月中にも決定される次期FRB議長に誰が指名されるのか、その報道が徐々に相場へも影響を与えるようになっています。最も有力だと予想している、ウオーシュ元FRB理事が議長職に指名される見込みは薄れた、とブルームバーグは伝えています。

本日のドル円レンジは111円70銭~112円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)