為替は先週金曜、一時113円台半ばまで円安が進みました。が、勢いは続かず反落。終値は9営業日連続112円台です。先週発表されたアメリカの重要指標、雇用統計。雇用者数は減っていましたが、これは、巨大ハリケーンの影響とみられ、さほど注目材料とはなりませんでした。それよりも、給与(平均時給)がまた一段と伸びていたことが重要です(今年これまでの平均は前年比プラス2.6%でしたが、先週発表された直近の増加率はプラス2.9%と、さらなる伸びが確認されました)。給与が伸びれば、物価、消費等さらなる伸びも期待され、そうであるならば、アメリカは景気過熱を事前に抑制するために利上げをしないといけません。

 年内の追加利上げの可能性が高まったとの思惑により、ドル買い(ドル高・円安)が進み、一時、113.4円を記録。しかし、北朝鮮がまたミサイル発射するかもれないなど不安情報も流れ、いわゆる行って来いの展開で(=上がった分、すぐに帳消しになって元に戻る)、先週終値は、9営業日連続となる112円台でした。
 
 さて、今週の見通しについて。先月107円で底打ちしてからの円安トレンドは、まだ終了、転換するには至っていません。終了してない以上、継続中との判断になりますので、まだ、114円以上へともうひと伸びする可能性は消えていないということになります。しかしながら、113円台に乗りながらも、もうひと伸びがなく、反落する展開が、9月下旬からもう何日も繰り返されています。このような展開は、いわゆる攻め疲れのような状態になって、腰折れ、本格的な反落へと転じるケースが少なくありません。また時間軸をみても、先月107円で底打ちしてから、もう1カ月が経過しました。短期的なトレンドとしては、もう十分な長さであり(もちろん、もっとトレンドが長期化するケースもありますが、経験則として)、そろそろ一旦、少なくとも短期的にトレンドが転換する可能性も考慮したいです。
 
 「円安がもうひと伸びする可能性はまだ残されている」、「そろそろトレンドが転換するリスクも考慮したい」、このようなことを先週のブログで連日書いていましたが、今週は、先週よりも、意識の重点を下方へシフトしたく、具体的には、円安方向への期待を少し削って、円高へ転換することをより注意したい状況ではないかと考えます。今回のトレンドが転換すると判断すべき重要な水準としましては、先週と変わらず、112円台(特に112円台前半)。この水準を下抜けますと、先月(107円)からの円安トレンドが一旦、短期的には完全にトレンド転換したと判断してよいのではないかと思います。
 
 高騰していたユーロ円が、短期的にちょっと崩れようかという兆候が出始めています。今年4月に1ユーロ=115円(一時的に114円)で底打ちしてから「急騰→横ばい→また急騰→横ばい→また急騰」といったような流れで階段状に値上がりしてきました。先月134円で止まって反落。この2週間ほどは132円程度で安定しているように見え、これまでの階段状のパターンから言えば、またこれから階段を上がる(ユーロ高になる)のかなとのイメージも湧きがちですが、短期チャート分析においては、トレンド転換の兆候も確認されます。目先は130円前後(130円台~129円台)への調整も想定しておきたいと思います。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)