アセットマネジメントOneは9月29日にSBI証券向け専用ファンド「厳選ジャパン」を設定した。国内上場企業3600社の中から、約20銘柄に絞り込んで投資する集中投資型ファンド。従来にない運用情報の開示を行い「顔の見えるファンド」にするという。同ファンドの運用を担当する岩谷渉平氏(写真:中央)、関口智信氏(写真:左)、石塚浩一氏(写真:右)に聞いた。

 ――「厳選ジャパン」の投資哲学は? どういう人に持ってもらいたい?

 岩谷 社会の課題解決を先導する企業を支援するという立場で投資をする。変革は一朝一夕ではできない。“課題先進国”といえる日本には、課題解決のチャンスは多い。短期的なボラティリティ(価格変動)に耐えられる骨太の投資をご検討いただきたい。

 関口 投資期間が長く取れる方ばかりでなく、日本株にインデックスファンドで投資しておられる方にも、インデックスと異なる銘柄群で構成されたファンドとして分散投資の対象になると思う。

 ――ファンドの特徴は?

 岩谷 20銘柄程度に絞り込んで投資するため、投資リスクは高く、ファンドの価格変動は、経験したことがないほど大きくなるかもしれない。

 しかし、投資先のミッション、将来展望や現状について運用チームと同じ目線で投資に臨むことで、幾多の困難を乗り越え、最終的には投資のリターンを味わっていただけるのではないかと考えた。受益者の方々にも、セイム・ボート(同じ舟)に乗って運用者、経営者とともに未来を切り拓くことがリターンにつながると考えた。

 私がファンドを代表して受益者の方々とのコミュニケーションを担う。銘柄選定などの運用実務は関口が担当し、アナリストとして企業分析や投資銘柄レポートなどを担うのが石塚という3人が中心になって運用に当たる。石塚のレポートは、これまでの月報とは違い、1人の投資家としての目線で執筆される。受益者限定でお送りするレポートとして、重要なコミュニケーションツールのひとつになる。

 石塚 20銘柄に絞り込むので、投資企業の1社1社の手触り感がある。バフェットのように、会社そのものを買うという視点で納得感の高い投資を経験いただけると思う。ベンチマークやほかのファンドと運用成績を競わず、3年、5年という長期で運用する。共感を持って投資を続けていただけるよう、情報発信に努めたい。

 岩谷 受益者の方々を対象としたスモールミーティングや投資先企業の見学会なども企画する。資産形成の時代といわれ、より長期にわたる投資を運用会社としてサポートしていきたいという思いが、このファンドに込められている。

 ――岩谷さんが担当した「DIAM新興市場日本株ファンド」は設定から10年で10倍になった。このファンドとの違いは?

 岩谷 「新興市場日本株ファンド」は、「新興市場」に投資することが大きな目的としてあったので、大型株には投資しない、東証マザーズやJASDAQ上場銘柄に投資するなど制約条件があった。「厳選ニッポン」は、さまざまな制約を取り払って、純粋に日本の抱える課題を解決して成長を遂げる企業を選び抜く。

 ――投資先企業の見学会などの取り組みは独立系の運用会社にもあるが、違いは?

 岩谷 50兆円以上の資産を運用する当社には、日本株のファンドマネジャーだけでも60名程度が在籍している。公募投信向けの戦略運用グループで日本株の担当チームは16.5人。社内のリソースはフル活用し、企業調査やマクロ分析などの面で、運用力の底力をお示ししたいと思う。

 関口 中小型株にも投資を行い、厳選(集中)投資を行うというのが珍しいと思う。当チームでは中小型株や新興企業の成長株投資に強みがあると考えていて、当ファンドではその強みを活かしつつ、さらに厳選投資を行う。

 当チームでは、ファンドのコンセプトにあった運用を受益者様に提供できるよう、ファンドごとに適正な運用額を意識している。このファンドの集中投資やコミュニケーションといったコンセプトに共感してくださる受益者に精一杯報いたいが、それが守れないと判断すれば、販売を停止するという措置もあるかと思う。

 ――日本株投資の魅力とは?

 岩谷 産業の新陳代謝が起こる限り、日本株でも投資チャンスはある。中小型株をやっていると、景気変動とは関係なくその時代のヒーローが生まれるのを見る。株価にボラティリティはあるが、ファンダメンタルズをしっかりみながらユニバースとしてチェックする。そして、今株価が旬な銘柄に積極的に投資するというスタイルは、受益者の資産形成にお役に立てるのではないかと思う。(情報提供:モーニングスター社)