金投資といえば多くの人は「地金」の形をした金を最初に思い出すかもしれません。特に1kgの金地金は映画やニュースでもしばしば登場しています。最近では金塊の密輸に関する事件や騒ぎも増えてきている気がします。しかし「1kgの金地金」という形では密輸はなかなか厳しいです。その理由として、税関による厳しい監視があることも挙げられると思います。

 税関によりますと、日本では一般的に100万円に相当する額を超える現金等を携帯して出国又は入国する場合には、「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を税関に提出する必要があります。具体的に言いますと、次のものの合計額が100万円相当額を超える場合になります。

・現金(本邦通貨、外国通貨)
・小切手(トラベラーズ・チェックを含む)
・約束手形
・有価証券(株券、国債等)

 この申告は、純度が金の地金(純度90%以上)の重量が1kgを超える場合も必要になります。また、1kg以下でも他の物品と合わせて免税範囲を超える金地金(純度・重量は問わない)を携帯して輸入する場合にも、別途の「携帯品・別送品申告書」の記入が必要になり、消費税がかかります。もしこのような手続きを行わずに携帯して出入国した場合は金地金の密輸なってしまうかも知れません。

 このような制度があるにもかかわらず、金の密輸が絶えないのはなぜでしょうか。現金(紙幣)と金地金の重さを比較してみると、1万円札の紙幣は約1gであることに対し、1万円分の金は約2gほどと想定できます。密輸で直接持ち運ぶとしたら金地金の方が少々重いということになります。

 それでも金密輸が起きているというのは、金の換金性・流動性が世界的に保証されていることの証明にもなると思います。金は多くの国でその希少価値を認めており簡単に紙幣などのお金に換えることが出来るのです。また、紙幣の申告基準額が100万円であることに対し金地金の場合1kg(約500万円相当)以下は申告の必要がないということになります。これは5倍ほどの差です。

 そして、金ならば加工(変形)が割と容易であることも密輸対象になる理由の一つになるかも知れません。朝日新聞によると、金密輸の方法は、体に直接布などで巻き付ける方法が約6割を占めていますが、他にも体内に入れて持ち込む人や、数キロの金をネックレス状に加工して首にかけたまま入国しようとした人もいるようです。

 金は世界的にその価値が認められていて、いつどこでも現金化することが出来る安全資産であり現物資産です。このような金の長所は、申告基準額の相対的な高さ、変形の相対的な容易さなどの特徴と相まって悪質な密輸にもつながっていると考えられます。(情報提供:SBIゴールド)(イメージ写真提供:123RF)