ドル円は続伸し、わずかながら111円台に乗せる。8月のCPIが予想を超えていたため利上げ観測が高まり111円05銭まで買われたがその後、北朝鮮リスクが意識され110円台前まで反落。ユーロドルは反発。1.1923まで上昇したものの、徐々に上値が重くなる展開。

 株式市場は強弱まちまち。エネルギー株が上昇し、ダウは連日で最高値を更新したものの、ナスダックは反落。ダウは初の2万2200ドル台乗せに成功。債券相場は小幅に反発。長期金利は2.18%台と、前日とほぼ変わらず。金は反発、原油価格は石油需要逼迫との報告から続伸。一時は4カ月ぶりに50ドル台に乗せる。


8月消費者物価指数    →  +0.4%

新規失業保険申請件数  →  28.4万件


ドル/円110.07~ 111.05

ユーロ/ドル1.1837~ 1.1923

ユーロ/円  131.15~ 131.75

NYダウ  +45.30 → 22,203.48

GOLD  +1.30 →1,329.30ドル 

WTI  +0.59→ 49.89  

米10年国債  -0.004 → 2.185%


本日の注目イベント

欧  ユーロ圏7月貿易収支
米  9月NY連銀製造業景気指数
米  8月小売売上高
米  8月鉱工業生産
米  8月設備稼働率
米  9月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

 このコメントの書いている最中に、北朝鮮がミサイルを発射し、ドル円は110円台前半から一気に109円56銭前後まで売られました。堅調な動きを見せていたドル円は、昨日のNY市場では8月の消費者物価指数(CPI)が+0.4%と予想を上回り、前年同月比でも+1.9%と、FRBがメドとしている2%に近付いたことから利上げ観測が高まりました。ドル円はその直後に111円05銭まで上昇し、8月16日以来、約1カ月ぶりのドル高水準をつけましたが、「北朝鮮がミサイル発射の準備を行っている」との情報に、110円台前半まで押し戻されていました。

 「48時間以内に北朝鮮がミサイルを発射する可能性がある」とした報道は、結果的に正しかったわけですが、北朝鮮リスクは今後も継続し、そう簡単には収まらないと、この欄でも指摘してきましたが、まさに現実となっています。国連安保理で同国に対する経済制裁が採決され、制裁の内容をやや軽くしたことで北朝鮮もおとなしくなるのではとも見られていましたが、やはりそう簡単ではありませんでした。

 安保理での制裁決議が採決された際にトラナンプ大統領は「これは非常に小さな一歩にすぎないとわれわれは考える」と発言しました。中国、ロシアからに支持を得るために制裁内容を軽くしたトランプ氏ですが、これで挑発行為をやめる相手ではありません。さらに北朝鮮に対する米国独自の制裁を強めるのか、トランプ氏の動向が注目されます。

 ちょうど1週間前に、北朝鮮が核実験を実施したことで107円13銭まで円高が進みましたが、それからドルは順調に買い戻され、111円台まで約4円も円安が進みました。昨日、111円に乗せたところで戻りの天井を付け反落したのは、もちろん北朝鮮のミサイル・リスクでしたが、「日足」の雲の入り口と、「120日線」がここにあり、上昇を抑えたとも言えます。為替をある程度経験したことのある人であれば、110円台から上ではドルショートのポジションを作って、売り上がっていたことが容易に想像できます。今朝はそのショートポジションを閉じているところでしょう。

 本日は今朝のミサイル発射で、好調だった日経平均株価も軟調な動きになるでしょう。そのため短期的には再び上値の重い展開に戻ったと見られます。ドルがどのような方向性を見せるのかは、今夜のNY時間でホワイトハウスからどのようなコメントが出されるのかによります。また今夜は重要な経済指標も多く発表されることもあり、値動きが大きくなり、乱高下することも予想されます。

 レンジは109円30銭~110円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)