ドル円は続伸。北朝鮮に対する制裁内容が軽減されたことで、予想される兆発行為へのリスクも低下し、ドル円は110円台を回復。110円26銭までドル高が進み、ほぼこの日の高値圏で引ける。ユーロドルは堅調に推移。ドル高が進んだことで、1.1928まで売られたものの、1.19台はキープ。ユーロ円は131円90銭前後まで上昇。消費者物価指数の上振れからポンドが上昇。対円でも146円台半ばまでポンド高が進行。

 株式市場は続伸。アップルが新型iPhoneを発表したことで株式市場へ好影響を与える。ダウは2万2100ドル台に乗せ、引け値ではわずかに最高値を更新する。債券相場は続落。ムニューシン財務長官が税制改革の年内成立を改めて表明したこともあり、債券は下落。長期金利は2.16%台に。金は続落。原油は小幅ながら続伸。

ドル/円109.67~ 110.26
ユーロ/ドル1.1928~ 1.1973
ユーロ/円  130.91~ 131.90
NYダウ  +61.49 → 22,118.86
GOLD  -3.00 → 1,332.70ドル 
WTI  +0.16→ 48.23  
米10年国債  +0.037 → 2.167%

本日の注目イベント

独   独8月消費者物価指数(改定値)
欧   ユーロ圏7月鉱工業生産
欧   ユンケル欧州委員長が所信表明
英   英8月雇用統計
米   8月生産者物価指数
米   8月財政収支

 ドル円は110円台を回復してきました。昨日はクロス円でも急激に円安が進み、ユーロ円は132円目前まで、ポンド円も146円台半ばまで上昇。また豪ドル円も1カ月半ぶりに88円台前半まで上昇するなど、この日は円が最弱通貨になっています。

 クロス円での円売りが、ドル円を押し上げた一因とも言えそうです。ブルームバーグは昨日のドル円の110円台回復について、「モデル指導のファンドやその他短期筋があらためて円ショート(売り持ち)を構築したことが背景」と報じています。これが事実なら、これまでのドルのショートを買い戻しただけでなく、新規のドル買いのポジションを作っていることになります。このレベルから112円台に向かうのは簡単ではないと思いますが、長い目で見たら、107円台前半で「底値」を記録した可能性も否定できないのかもしれません。

 個人的には、ドル円はまだ底値を確認していないと考えています。北朝鮮への制裁内容が石油全面禁輸ではなかったことや、ハリケーン「イルマ」の被害が想定よりも軽微であることが、株高、債券安、ドル高をもたらしたわけですが、北朝鮮情勢はそう簡単には治まらないはずです。トランプ大統領も昨日、「北朝鮮制裁採択は行動の始まりにすぎない」と語っています。

 今回の安保理での制裁決議で、北朝鮮への輸出総額の9割が制裁対象となり、石油関連商品の3割が輸出削減につながると見られています。この措置で北朝鮮の経済活動にどの程度の影響を及ぼし、核開発計画に打撃を与えられるのかどうかはまだ不透明です。また、北朝鮮があらたな挑発行為を行ってくることも十分想定されます。つまりこの問題は、まだまだこれからも続くと考えるほかありません。一方で為替市場の特徴でもありますが、北朝鮮の度重なる「脅し」には、徐々に慣れて、市場への影響も徐々になくなることも想定されます。その結果、市場の眼は再びFRBの金融政策やインフレ率などに向かい、「年内にもう一度の利上げ」があるのかどうかが為替相場にとって最もインパクトのある材料になってくるものと思います。

 本日は円安と米国株の上昇から、日経平均株価も続伸が見込まれます。2万円を回復することはないと思いますが、100円程度の上昇はあるかもしれません。ドル円は110円台半ば前後が重要なポイントと見ていますが、レンジは109円50銭~110円50銭程度と予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)