ドル円は北朝鮮のリスクとハリケーン「イルマ」を警戒したドル売りが優勢となり、107円32銭まで円高が進む。その後レベル感からのドル買いも出て、107円70-80銭で越週。ユーロドルでもドル安が進み、終始1.20台で推移。一時は1.2067までユーロ高が進み、直近の高値に並ぶ。

 株式市場は北朝鮮とハリケーンに対する警戒感からまちまち。ダウは13ドル上昇したものの、ナスダックは37ポイント下落。債券は朝方には売られたものの、下げ幅を縮小し、小幅安で取引を終える。長期金利は2.05%台に上昇。金は小幅に続伸し、原油は続落。


7月消費者信用残高   →  184.99億ドル

ドル/円107.32~ 108.07

ユーロ/ドル1.2014~ 1.2067

ユーロ/円  129.48~ 129.92

NYダウ  +13.01 → 21,797.79

GOLD  +0.90 → 1,351.20ドル 

WTI  -1.53→ 47.56  

米10年国債  +0.012 → 2.051%


本日の注目イベント

加  カナダ8月住宅着工件数


 先週9日の土曜日は北朝鮮の建国記念日にあたることから、大陸間弾道ミサイルや核実験など、さらなる挑発行為があるのではないかとの見方が強く、ドル円は108円を割り込み、NY市場では107円32銭まで一気にドル安が進みました。週明け早朝の時点では特に挑発行為はなかったことで、ドル円は大きく窓を開け108円台前半で取引が始まっています。ただ、米国が北朝鮮への原油や石油製品、天然ガスなどの禁輸を含む経済制裁を国連安保理に提出しており、この決議案が本日11日に採決するかどうかで、北朝鮮の出方も変わってくるものと見られ、まだ緊張は続いています。

 ドル円は今朝の早い時間には108円40銭前後まで上昇していました。大型ハリケーン「イルマ」がフロリダ半島に上陸したものの、「カテゴリー4」と、勢力をやや弱めていることや、北朝鮮が先週土曜日から挑発行為を封印し、国連安保理の結果を注視していると見られることで、ややリスクが後退しています。それでも自国を「原子爆弾、水素爆弾にICBMまで保有する核強国に上り詰めた」と自賛し、「米国が敵視政策を続ける限り、わが方からの贈り物を引き続き受け取ることになる」と、国営放送が伝えるなど、挑戦的な言葉を駆使しています。安保理での結果次第ではさらなる挑発行為の発生があるかもしれません。

 先週末のドル円は節目の108円を割り込むと下落が加速し、107円80銭前後まで簡単に下げ、その後はもみ合いながら下値を徐々に切り下げる展開でした。NYでは107円32銭までドル安が進み、昨年11月の米大統領選直後の円高水準を記録しました。本邦輸出企業の平均設定レートが108円程度と言われており、このまま円高が続けば輸出企業の業績にも悪影響を与えることになり、株価の下落要因にもなります。輸入企業にとっては予想よりも円高水準でドルを手当て出来るメリットがありますが、企業全体で見ると、円高には弱いのが実態です。

 今朝のドル円は戻り基調にはありますが、上値は限られそうです。安保理の制裁決議案の結果次第ということになりますが、チャートで見た上値のメドは108円60-75銭辺りの「雲」ということになりそうです。仮に制裁決議案が通らなかった場合にはドルの買戻しが活発化し、109円台に乗せることがあるかもしれませんが、それでも朝鮮半島のリスクは完全には払拭できません。スイスが仲介に入り、米朝の劇的な交渉の場でも用意されない限り、まだ安心はできません。

 NY連銀のダドリー総裁は講演で、ハリケーンの影響を考え「次回の利上げが行われる時期を判断するのはまだ早いが、短期金利がいずれ徐々に上昇する道筋が今も整っている」と述べ、前回の講演で「年内3度目の利上げを支持する」としたコメントからはトーンダウンしています。ハリケーン「イルマ」の被害額は21兆円にものぼるという見方もあるようです。本日はNYでの国連安保理の動向も考慮し、107円30銭~108円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)