ドル円はユーロ高に引っ張られる形で一時108円05銭まで下落し、昨年11月以来となる円高水準を記録。米長期金利も2.03%まで低下し、ドル売りを誘引。その後ドルは買い戻され108円台半ばで取引を終える。ECBのドラギ総裁は会見で10月の量的緩和の縮小決定を示唆。同時にユーロ高をけん制したことでユーロドルは乱高下。それでも1.2060前後まで買われ、ユーロ円も131円台に乗せる。

 株式市場はまちまち。北朝鮮リスクやハリケーンを警戒し、ダウは22ドル下げたものの、ナスダックは4ポイント上昇。債券相場は反発。欧州債が上昇したことや、ハリケーンの影響などを見極め、買いが優勢に。長期金利は10カ月ぶりとなる2.03%台まで低下。金は反発し1350ドル台に。原油は5営業日ぶりに小幅反落。

新規失業保険申請件数   → 29.8万件

ドル/円108.05~ 108.97

ユーロ/ドル1.1930~ 1.2059

ユーロ/円  129.90~ 131.10

NYダウ  -22.86 → 21,784.78

GOLD  +11.30 → 1,350.30ドル 

WTI  -0.07 → 49.09  

米10年国債  -0.066 → 2.039%


本日の注目イベント

日   4-6月GDP(改定値)
日   7月国際収支
日   8月景気ウオッチャー調査
中   中国 8月貿易統計
独   独7月貿易収支
英   英7月鉱工業生産
英   英7月貿易収支
米   7月消費者信用残高
米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

 ECBは理事会で政策金利の据え置きを決めたが、その後に行われた記者会見でドラギ総裁は量的緩和の縮小について、「決定の大きな部分は10月に下されるだろう」と述べ、10月の理事会で決定されることを示唆しました。この発言を受け、ユーロドルは1.19台前半から1.2060前後まで上昇。対円でも131円台前半までユーロ高が進みました。

 一方でドラギ総裁はユーロ高をけん制する発言も行っており、「最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」と、語っています。ユーロドルは直後に売られる場面もありましたが1.20台を維持して今朝を迎えています。

 ドル円はユーロドルが1.20台に乗せ上昇を加速させると、円買いドル売りが強まり、一時は108円05銭まで売られています。この水準は今年4月に記録した108円13銭を下回る、昨年11月以来の円高を付けたことになります。昨日の円高ドル安はユーロ高に引っ張られた格好になりましたが、この欄でも何度か触れたように、周りを見渡せば「ドル安材料」は目白押しで、むしろ108円台を維持しているドル円の粘り腰に驚いている状況でした。

 前日には債務上限問題が一旦片付き、ドル円は109円台まで反発したものの、12月には議会で、再びこの議題で議論が紛糾することになります。また大型のハリケーン「イルマ」の被害も懸念されます。それ以前に、北朝鮮のさらなる挑発行為が明日の建国記念日に実施されるのではとの見方もあり、なかなかドルを買える状況ではありません。昨日はさらにドル安に追い討ちをかけるように、米長期金利が2.04%を割り込み、約10カ月ぶりの低水準を記録しました。「周りはドル売り材料一色」と言ってもいい状況です。

 108円は割り込んではいないものの、今年の円の最高値を記録したドル円は108円割れも視野に入った感じがします。円高を嫌気して本日の日本株は大きく売られる可能性もあります。円高と株安が同時進行する「負の連鎖」も想定され、足元の関心は「ドルがどこまで下げるのか」といったところです。さらにこのまま108円台で越週すると、重要な「週足」チャートでは「雲抜け」が完成します。「週足」で雲を下抜けすれば、昨年11月の米大統領選直後の水準と同じ形態を示し、ドルの下落が長く続くことを暗示することになります。

 本日は108円を維持できるのか。また仮に108円を割り込んでも、すぐに反発する力があるのかどうかがポイントでしょう。ずるずると108円を割り込み、その後も緩やかに下落が続くような展開は避けたいところですが、どうでしょう。

 予想レンジは107円70銭~108円80銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)