ドル円はアジア市場の108円50銭を底値に反発。米国債のデフォルトの可能性が後退したことや、長期金利の上昇を手掛かりに109円39銭までドルが買われる。ユーロドルは本日のECB理事会を前に小動き。1.19台前半から半ばで推移。カナダ中銀が利上げを決めたことで、キャンドルは対円、対ドルで上昇。株式市場は反発。トランプ大統領が議会指導部と債務上限の3カ月適用停止で合意したことを好感。ダウは54ドル上昇し、他の主要指数も前日の大幅安から買い戻される。債券相場は反落。債務上限問題がひとまずクリアされたことで利益確定の売りが優勢に。長期金利は2.10%台を回復。ドルが買い戻されたことで金は4営業日ぶりに反落。原油は続伸し49ドル台に乗せる。

7月貿易収支            → 437.0億ドルの赤字

8月ISM非製造業景況指数   →  55.3

ドル/円108.71~ 109.39

ユーロ/ドル1.1908~ 1.1950

ユーロ/円  129.62~ 130.39

NYダウ  +54.33 → 21,807.64

GOLD  -5.50 → 1,339.00ドル 

WTI  +0.50 → 49.16  

米10年国債  +0.045 → 2.105%

 
本日の注目イベント

豪  豪7月小売売上高
豪  豪7月貿易収支
中  中国 8月外貨準備高
独  独7月鉱工業生産
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
米  新規失業保険申請件数
米  メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米  ダドリー・NY連銀総裁講演
米  ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
加  カナダ7月建設許可件数
                                    
 ドル円は前日のNY株の大幅安や金利低下を受け、昨日の朝方に108円50銭まで売られましたが、今回も108円割れを試すことなく109円台へと反発しています。北朝鮮リスクなど、ドル売り材料が目白押しの中、108円台を割り込まない状況に意外感を感じます。

 昨日は、トランプ大統領と民主党が、債務上限の3カ月適用停止で合意したとの報道でリスクオフが後退し、ひとまずドルや株を買う動きや、買われていた債券を手放す動きが強まり、ドル円は109円台半ばまで反発しました。一方で、FRBのフィシャー副議長が10月中旬で辞任するとの報道もあり、ドルの上値を抑えることにもなっています。

 フィッシャー副議長の任期は来年6月まででしたが、トランプ大統領に辞表を提出し、10月13日もしくは同日前後をもって辞任する意向を示しています。(ブルームバーグ)辞任の理由は「一身上の都合」だとしていますが、来年2月にはイエレン議長の任期も迫っており、このタイミングで辞任することで、今後FRBの金融政策が不透明になることが懸念されます。今月19-20日にはFOMCが開催され、バランスシートの縮小やその後の利上げなど、FRBにとっても難しい金融政策の舵とりを迫られている時期です。仮に来年2月にイエレン議長が退任すれば、経験豊富な議長、副議長がいなくなることになり、FRBの体制にも影響が出そうです。

 絶妙なタイミングというべきか、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は現在、次期FRB議長候補で最も有力なコーン国家経済会議委員長を、トランプ大統領は指名しないだろうと、報じています。コーン委員長は白人至上主義を掲げるトランプ大統領とは意見を異にしており、トランプ批判をしていることで、トランプ氏からは嫌われているようです。

 昨日は米中首脳会談が電話で行われましたが、北朝鮮への制裁を巡っては必ずしも一致しておらず、北朝鮮への石油輸出を停止させようとするトランプ大統領に対し、あくまでも平和的に解決をすべきという習金平主席との間には溝がありました。本日の安保理で北朝鮮への石油輸出停止を含む制裁決議が採択されるのかが焦点になります。

 ドル円は109円台を回復してはいますが、引き続き上値が重い状況は変わりません。今週土曜日の北朝鮮の建国記念日、ハリケーン「イルマ」の存在、そして今回のフィッシャーFRB副議長の辞任問題など、相変わらずドル売り材料が湧き出てきます。それでもドル円が112円方向に行くのかどうか注目されます。本日は108円60銭~109円60銭程度を予想します。109円65銭辺りを抜ければ、「雲抜け」と「120日線抜け」(1時間足)を完成させることから、こちらにも注目しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)