ドル円は110円67銭前後まで買われたものの、経済指標の結果と米財務長官の発言にドル売りが優勢となる。110円を割り込み、109円88銭まで下落。ユーロドルは朝方つけた1.1823近辺を底値に反発。ドルが売られたことで1.1912前後まで上昇。

 株式市場は5日続伸。個人消費支出は予想を下回ったものの、6月分は上方修正されたことで続伸。ダウは55ドル上昇し、ナスダックも60ポイント上昇。債券相場は小幅に反発。米財財務長官の発言を好感し買われる。長期金利は2.11%台へと低下。金は反発し1322ドル台に。原油も大幅に買われ47ドル台を回復。


7月個人所得               →  +0.4%

7月個人支出               →  +0.3%

7月PCEコアデフレータ         →  +1.4%

新規失業保険申請件数         →  23.6万件

8月シカゴ購買部協会景気指数    →  58.9

7月中古住宅販売成約指数      →  -0.8%

ドル/円109.88~ 110.66

ユーロ/ドル1.1823~ 1.1912

ユーロ/円  130.70~ 131.07

NYダウ  +55.67 → 21,948.10

GOLD  +8.10 → 1,322.20ドル 

WTI +1.27 → 47.23  

米10年国債  -0.014 → 2.117%


本日の注目イベント

中   中国 8月財新製造業PMI
欧   ユーロ圏8月製造業PMI(改定値)
英   英8月製造業PMI
米   8月雇用統計
米   8月ISM製造業景況指数
米   8月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米   8月自動車販売台数


 昨日のドル円は底堅い動きを見せたものの、110円66銭まで上昇し、この辺りが一杯でした。北朝鮮との緊張が続く中、112円方向へ行くにはやや無理があると考えていましたが、昨日はムニューシン財務長官の発言と、注目されたPCE・コアデフレーターが1.4%と、伸びが鈍化していたことでドルが下落に転じたものでした。ただ、懸念されていた法人税減税がようやく動き出し、数週間以内には概要が発表される見通しもついたようです。

 ムニューシン財務長官は米CNBCとのインタビューで、「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」と述べ、ドル売りのきっかけを提供した格好になりましたが、これは強いドルが米国にとって好ましいかどうか問われたことに対して答えたもので、その後には「私がこれまで一貫して言ってきたことは短期的には、ドルの強さは準備通貨としての信任、および米経済への信頼の表れだと考える」(ブルームバーグ)とも述べています。同長官は今年始めの就任直後には、「強いドルは国益にかなう」と発言したこともあり、トランプ大統領とは為替に関しては認識が異なると、個人的には見ていました。「米経済の強さを考えれば、ある程度止むを得ない」との立場は維持しており、あくまでも「貿易」の観点から述べたものと思われます。

 ドル円は引き続き明確な方向性のない動きを見せています。108円を割り込み急落するリスクはやや後退したものの、上値は依然として重く、108-111円のレンジの中で、経済指標や北朝鮮問題の動き、あるいは昨日の財務長官発言など、要人発言などで上下する展開です。その中でもやはり重要なのは北朝鮮の動きです。北朝鮮は週末を挟んでミサイルを発射する傾向があるため、今日から来週の月曜までは「要注意日」にあたります。

 今夜は米雇用統計の発表があります。非農業部門雇用者数は18万人程度と予想されていますが、先日のADP雇用者数の様に上振れするかどうかは分かりません。仮に結果が20万人を超えていても、ドル円は111円程度が一杯で、さらなる上昇は難しいのではないかと考えています。それはシティーグループが提供している「びっくり指数」(Economic surprise index )を見ても明らかなように、同指数は改善傾向を見せているにも関わらず、ドル円は下落傾向を示しており、逆相関の状況です。これはこのところのドル円相場は経済指標の結果よりも、北朝鮮問題など、外部環境に大きく影響されていると考えることができます。

 本日の予想レンジは109円40銭~110円90銭程度とややワイドに見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)