カンザスシティ連銀が主催する毎年恒例の経済シンポジウムが、昨日から米ワイオミング州ジャクソンホールにて始まった。本日は、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、それぞれ講演を行う予定となっており、市場の関心を集めている。なお、両氏がこのシンポジウムに揃って登壇するのは2014年以来であり、当時とは立場が大きく異なる点が興味深い。

14年の講演で、イエレン議長は「ここ数ヶ月で利上げの機運が高まった」などと述べて、利上げ開始の時期が近い事を示唆した一方、ドラギ総裁は「インフレ期待が著しく低いため政策調整が必要になる」として追加緩和の可能性に言及した。当然だが、このとき為替はドル高・ユーロ安に振れた。

今回については、ECBが秋にも量的緩和の縮小に着手すると見られる一方、FRBは年内の追加利上げを見送るとの見方が少なくない状況で講演に臨む。3年前とは攻守ところを変えて、タカ派のドラギ総裁とハト派のイエレン議長の構図となれば、ドル安・ユーロ高が進んでもおかしくないだろう。

もっとも、ジャクソンホール・シンポジウムでは、中銀トップが講演する際に必ず金融政策に言及しなければならないという決まりがある訳ではない。市場への影響に配慮して、どちらも踏み込んだ発言を避ける可能性もゼロではないだろう。

(執筆:外為どっとコム総合研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)