エイジア <2352> (東2)はメール配信システムの大手である。eコマース分野を強化し、AI(人工知能)を活用した新サービス開発も推進している。18年3月期第1四半期は大幅増収増益だった。そして通期も2桁増益・増配予想である。株価は好業績を評価して2月の年初来高値を試す展開が期待される。
 
■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力
 
 自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、システム受託開発なども展開している。17年3月期セグメント別売上高構成比はアプリケーション事業85%、コンサルティング事業14%、オーダーメイド開発事業2%だった。
 
 01年発売開始したメール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。通販企業、メーカー、生命保険、情報サービス会社など多様な業界の企業や官公庁に導入され、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。
 
 WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心として、メール共有システム「WEBCAS mailcenter」などをラインナップに抱えるe-CRMアプリケーションシリーズである。16年8月にはWEBCASシリーズ導入企業が3000社を突破した。
 
■クラウドサービスを強化
 
 中期成長戦略としてクラウドサービスの強化、新製品・サービス開発の推進、サービスソリューションの拡大に取り組んでいる。
 
 16年6月にはマーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」を発売した。ユーザーの行動に基づいた効果的なマーケティング・コミュニケーションを自動で実行できるBtoCのEC事業者向けマーケティングプラットフォームである。また16年6月には人工知能アルゴリズムを駆使した感性分析型テキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」を発売した。
 
 今後の開発戦略としては、チャネルの複数化・多様化、定性分析による顧客セグメント化、人工知能「将来予測エンジン」搭載、IOT技術を活用したビッグデータ対応などを計画している。
 
■M&A・アライアンスも積極活用
 
 M&A・アライアンスでは、16年1月フュージョンと業務提携、16年4月ミックスネットワークと業務提携、16年6月電通ダイレクトフォースと業務提携、16年10月ディーエムエスと業務提携、16年11月エスキュービズム、WACUL、ミックスネットワークの3社と協業、17年1月グロウ・ムービー・ジャパンと資本業務提携した。

 17年5月には、ソーシャルログイン導入実績首位のフィードフォースの最適なOne to Oneコミュニケーションを目指す取り組み「Next ID Alliance」に参加した。
 
■海外はマレーシアを強化
 
 海外は15年12月、マレーシアでマーケティング支援業務を行うMarvelous International社を子会社化(17年6月、商号をAZIA MARKETING MALAYSIA社に変更)した。購買力の高い富裕層や中間所得層が拡大する成長市場マレーシアにおける事業を強化する。
 
■ストック型収益構造
 
 収益面では、システム開発関連のため下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。
 
 利益配分については、新規事業投資や研究開発投資等に必要な内部留保は従来どおり行いつつ、配当金による利益配分を行っていくことを基本方針としている。また株主還元のさらなる充実を図るべく、意識する配当性向を17年3月期から30%前後に引き上げた。
 
■18年3月期1Qは大幅増収増益
 
 今期(18年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比24.8%増の3億56百万円、営業利益が47.3%増の68百万円、経常利益が42.2%増の71百万円、純利益が20.6%増の38百万円だった。
 
 アプリケーション事業は、売上高が21.1%増の2億93百万円で、売上総利益率が1.6ポイント低下の70.9%だった。クラウドサービスやライセンス販売が伸長した。クラウドサービスの売上高は16.6%増の2億01百万円だった。
 
 コンサルティング事業は、売上高が52.5%増の57百万円で、売上総利益率が6.7ポイント上昇の22.1%だった。メールコンテンツ企画・制作のコンサルティングサービスが25.4%増収、Web制作のデザインサービスが2.3倍増収、子会社FUCAが56.1%増収と好調だった。なおオーダーメイド開発事業は売上高が4.5%減の4百万円だった。社内エンジニアリソースをアプリケーション事業に集中させた。
 
 全体の売上総利益は20.3%増加したが、売上総利益率は62.4%で2.3ポイント低下した。販管費は11.2%増加したが、販管費比率は43.2%で5.3ポイント低下した。
 
■18年3月期増収増益・増配予想
 
 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月10日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.6%増の14億45百万円、営業利益が同10.8%増の3億18百万円、経常利益が同10.0%増の3億21百万円、純利益が同17.6%増の2億08百万円としている。
 
 配当予想は年間15円50銭(期末一括)としている。17年4月1日付株式2分割を考慮して、前期の年間25円を12円50銭に換算すると実質的に3円増配となる。予想配当性向は30.4%となる。
 
 クラウドサービスを中心にアプリケーション事業が好調に推移して増収増益・増配予想である。セグメント別売上高の計画はアプリケーション事業が9.6%増の12億33百万円、コンサルティング事業が3.3%増の1億88百万円、オーダーメイド開発事業が9.1%増の24百万円としている。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.6%、営業利益21.4%、経常利益22.1%、純利益18.3%である。やや低水準の形だが、システム開発関連で下期の構成比が高い特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。
 
■クロスチャネル対応マーケティングプラットフォーム構築目指す
 
 17年5月策定の新中期経営計画では、経営ビジョンに「クロスチャネル対応マーケティングプラットフォーム構築」を掲げている。人工知能を活用したマーケティングオートメーション機能も搭載する。
 
 経営目標値は20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円としている。セグメント別売上高はアプリケーション事業16億16百万円、コンサルティング事業2億30百万円、オーダーメイド開発事業24百万円である。
 
■株主優待制度は毎年3月末に実施
 
 株主優待制度は、毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。
 
■株価は好業績評価して2月の年初来高値試す
 
 株価(17年4月1日付で株式2分割)は1000円~1200円のレンジでモミ合う形だが、8月18日には1183円まで上伸して調整一巡感を強めている。
 
 8月21日の終値1158円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円04銭で算出)は22~23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円50銭で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS294円48銭で算出)は3.9倍近辺である。時価総額は約53億円である。
 
 週足チャートで見ると、一旦割り込んだ26移動平均線を素早く回復した。好業績を評価して2月の年初来高値1311円50銭を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)