ドル円は109円台が徐々に重くなり、再び108円台半ばまで下落。特段材料はなかったものの、北朝鮮リスクとトランプ政権の先行き不安が重石に。ユーロドルは反発し、1週間ぶりに1.18台に乗せる。米メディアのジャクソンホールでドラギ総裁が量的緩和縮小に言及するとの報道を材料に、1.1828までユーロ高が進む。株式市場は閑散な取引だったが、引け前1時間ほどで上昇し、ダウは29ドル高と、3日ぶりにプラスで引ける。債券相場もジャクソンホールでのイエレン議長の講演待ちの雰囲気から小動き。それでも地政学的リスクなどから買いが優勢となり小幅に上昇。長期金利も2.18%台へと低下。金は続伸。原油価格は反落し前日の上昇分を吐き出す。

ドル/円108.64~ 109.04

ユーロ/ドル1.1760~ 1.1828

ユーロ/円  128.13~ 128.79

NYダウ  +29.24 → 21,703.75

GOLD  +5.10 → 1,296.70ドル 

WTI -1.14 → 47.37  

米10年国債  -0.012 → 2.182%


本日の注目イベント

独  独8月ZEW景況感指数
英  英7月財政収支
米  6月FHFA住宅価格指数
米  8月リッチモンド連銀製造業指数
加  カナダ6月小売売上高


 ドル円は昨日の東京時間には109円40銭前後まで反発したものの、依然上値は重く、NY市場では再び108円台半ばまで押し戻されています。昨日から米韓合同軍事演習が予定通り開始され、北朝鮮がどのような反応を見せるのか注目されていましたが、今のところ挑発行為もなく、静観しているようです。ただこの演習は31日まで行われる予定のため、まだ安心するわけにはいきません。

 ドル円は一時108円64銭まで売られ、先週金曜日の安値とほぼ同じ水準で下げ止まっています。見方によっては、この108円台半ばが底堅そうに見えますが、一方で上値の方は確実に切り下げているのも事実です。北朝鮮、トランプリスク、さらにテロや、米債務上限問題など、ドル売り材料が山積みの状況の中、ドル反発のきっかけを掴めないのが現状です。

 ドル円は4月17日に今年の最安値である108円13銭を記録していますが、まだその水準は維持されています。目先の注目はこのレベルが下抜けするかどうかという点です。気になるヘッジファンド等のドル買いポジションもさすがに減少しています。先月後半には円の売り持ち(ドルの買い持ち)ポジションが、約3年半ぶりとなる12万枚を超える水準まで膨らんでいましたが、先週発表された数字は、7万5000枚前後と、約5万枚も減少していました。ドル高を予想していたものが逆方向に加速したことで、あわてて手仕舞いをしたと見られますが、まだ全体のポジションはドルロングです。

 ではこの状況をどのように見るのか?ドルロングであることから、まだドルを売る必要があると見るのか、それともポジションが軽くなった分、再びドルを買って円を売る余地があると見るのか、それによって今後の相場観も若干変わってくるように思います。ヘッジファンドなどのポジションは一度方向が決まると、ある程度長くキャりーされる傾向があります。今回の「ドルロング」ポジションは昨年11月の米大統領選挙の結果を受けてドルが急騰した後に構築されたものです。それ以来多少の増減はあっても、全体としては「ドル買い円売り」のポジションはキープされてきました。足元ではドル売りが優勢になっていますが、このポジションがネットで「ドル売り円買い」に変わることはそう簡単ではないと思っています。日米欧の中で、相対的に良好な米ファンダメンタルズが支える構図になっていると考えられるからです。本日のレンジは108円50銭~109円50銭程度と予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)