アーバネットコーポレーション <3242> (JQ)は東京23区中心に投資用・分譲用マンションの開発・販売事業を展開している。株価は18年6月期減収減益・減配予想で急落したが、売り一巡して反発が期待される。
 
■東京23区中心に投資用マンション開発・販売
 
 東京23区中心に投資用・分譲用マンションの開発・販売事業を展開している。アウトソーシングを積極活用し、少数精鋭の組織体制で固定費の極小化を図っている。
 
 15年7月連結子会社アーバネットリビングが操業し、当社は投資用ワンルームマンション開発・1棟販売や分譲マンション開発などBtoB卸売、アーバネットリビングは当社開発物件の戸別販売、他社物件の買取再販、マンション管理・賃貸などBtoC小売を基本事業とする。
 
 自社開発物件ブランドは、ワンルームマンションの「アジールコート」、コンパクトマンションの「アジールコフレ」、ファミリーマンションの「グランアジール」、戸建住宅の「アジールヴィラ」である。収益面では物件売上計上によって変動しやすい特性がある。
 
 配当性向についての基本方針は、従来は当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の30%を配当するとしていたが、16年6月期より当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の35%を配当するとした。
 
■開発物件の分野を拡大
 
 東京23区における事業用地については、都心への人口流入や開発の一極集中による価格上昇もあり、優良事業用地の確保が難しい状況となっている。
 
 さらに将来の不動産市場の環境も考慮し、これらへの積極対応として開発物件の分野拡大を推進している。従来は投資用ワンルームマンション用地として取得しなかった狭小用地についても、アパートや戸建住宅として開発する。また川崎市や横浜市など人口増加・優良地域への開発エリアの拡大、売上総利益率安定化に向けた分譲物件開発の平準化などの施策に加えて、開発物件分野拡大による業績の向上を目指す方針だ。
 
■海外投資家への直接販売強化
 
 投資意欲旺盛な台湾・シンガポール・香港・中国本土の海外投資家への直接販売など販売手法の多様化も推進している。14年7月売買契約締結した投資用ワンルームマンション「アジールコート銀座イースト」が海外投資家への直接販売第一弾となった。
 
 16年4月には台湾投資家への当社の浸透を図ることを目的として、アンビシャス・コンサルタント・インターナショナル(台湾台北市)が台湾在住の投資家を対象に日本の不動産を紹介する拠点として開設する「M.I.J.サロン」(台北市)に当社常設ブースを設置した。
 
■17年6月期は2桁増益
 
 前期(17年6月期)の連結業績は、売上高が前々期(16年6月期)比0.5%増の177億88百万円、営業利益が20.6%増の24億19百万円、経常利益が25.5%増の21億58百万円、純利益が28.6%増の14億65百万円だった。
 
 売上高は不動産開発販売が9.2%増の171億98百万円だった。自社開発の投資用ワンルームマンション12棟・587戸、アパート1棟・12戸、および用地転売1物件を売上計上した。不動産仕入販売は86.5%減の2億39百万円だった。買い取り再販物件5戸を売上計上した。その他は2.0倍の3億51百万円だった。自社開発投資用ワンルームマンションのうち4棟が国内外法人への一括販売だった。
 
 売上総利益は15.5%増加し、売上総利益率は21.5%で2.8ポイント上昇した。1棟一括販売が寄与した。また販管費は7.6%増加し、販管費比率7.9%で0.5ポイント上昇した。ROEは23.0%で2.2ポイント上昇した。自己資本比率は29.3%で1.6ポイント低下した。配当は5円増配の年間21円(第2四半期末9円、期末12円)とした。配当性向は35.8%である。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期39億91百万円、第2四半期66億99百万円、第3四半期20億78百万円、第4四半期50億20百万円、営業利益は5億46百万円、12億15百万円、1億53百万円、5億05百万円だった。
 
■18年6月期は減収減益・減配予想
 
 今期(18年6月期)の連結業績予想(8月9日公表)は、売上高が前期(17年6月期)比10.1%減の160億円、営業利益が38.0%減の15億円、経常利益が42.1%減の12億50百万円、純利益が42.0%減の8億50百万円としている。
 
 売上計上の計画は、自社開発投資用ワンルームマンションが51戸減少の11棟・536戸、新規分野のアパート・テラスハウスが13戸増加の4棟・25戸、および買い取り再販が2戸としている。売上総利益率は1棟一括販売が無いため3.0ポイント低下の18.4%見込みとしている。
 
 今期(18年6月期)は売上計上戸数が減少するが、超低金利継続や相続税対策などを背景として、投資用ワンルームマンションに対する投資・購入マインドは旺盛であり、来期(19年6月期)は収益の再拡大が期待される。
 
 配当予想は、第2四半期末に会社設立20周年記念配当1円を実施するが、前期との比較では8円減配の年間13円(第2四半期末7円、期末6円)としている。予想配当性向は38.4%である。
 
■株価は急落したが売り一巡感
 
 株価は18年6月期の減収減益・減配予想で、440円近辺でのモミ合いから急落した。8月14日には313円まで下押した。ただし8月16日には353円まで戻す場面があり、売り一巡感を強めている。
 
 8月17日の終値345円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS33円88銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は3.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS275円54銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約87億円である。
 
 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えている。また週足チャートで見ると一気に52週移動平均線まで割り込んだが、安値圏で陽線を立てて底打ち感を強めている。売り一巡して反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)