ドル円は続伸。北朝鮮の金正恩委員長の発言や、発表された経済指標が軒並み良好だったことからドル円は110円85銭までドル高が進む。長期金利の上昇もドル円を押し上げた。ユーロドルは続落。1.17を割り込み、一時は1.1687までユーロ安が進む。来週のドラギ講演を控え、持ち高を調整する動きも。

 株式市場はまちまち。ダウは小幅ながら3日続伸したが、ナスダック、S&P500は反落。北朝鮮不安が緩和されたことでVIX指数(恐怖指数)も12を割り込む。良好な経済指標を受け債券相場は続落。長期金利は2.27%台へと上昇し、先週末に比べると10bpの大幅上昇。金と原油は小幅に続落。


8月NY連銀製造業景気指数  → 25.20
7月小売売上高          → +0.5%
8月NAHB住宅市場指数    → 68

ドル/円110.38~ 110.85
ユーロ/ドル1.1687~ 1.1745
ユーロ/円  129.41~ 129.90
NYダウ  +5.28 → 21,998.99
GOLD  -10.70 → 1279.70ドル 
WTI -0.04 → 47.55ドル  
米10年国債  +0.054 → 2.273%

本日の注目イベント
欧   ユーロ圏4-6月期GDP(改定値)
英   英7月雇用統計
米   7月住宅着工件数
米   7月建設許可件数
米   FOMC議事録(7月25、26日分)
                                     
 北朝鮮の金正恩委員長が「米国の行動はもう少し見守る」と発言したことを朝鮮中央通信が伝えたことで、米朝の緊張が緩和され、ドル円は前日と同様に買われています。昨日の東京市場で、株価の上昇とともに110円台を回復したドル円でした。緊張緩和に加え、昨日発表された米経済データが軒並み予想を上回ったことで安心感が広がったようです。

 前日NY連銀のダドリー総裁が「年内もう一度の利上げを支持するだろう」と発言したことが正当化された格好です。8月のNY連銀製造業景況指数は市場予想の「10」に対して「25.20」と大幅に上回りました。また7月の小売売上高も予想の「+0.3%」に対して、「+0.5%」と、こちらも上振れした上に、先月分も上方修正されました。7月の小売売上高は、前月比での伸びが今年最大となり、百貨店や建築資材など売り上げ増加は幅広い分野に広がり、堅調な個人消費が示唆された形になっています。(ブルームバーグ)

 これでドル円は先週末の108円72銭の安値から、わずか2日で2円以上もの反発を見せたことになります。このまま上昇に転じることはないにしても、ヘッジファンドなどの円売りポジションの大幅な巻き戻しを誘発するリスクはやや後退しています。昨日の火曜日時点のポジションは、18日(金)に発表されますが、円の売り持ちはかなり減少したものと見られます。北朝鮮問題はもちろん、まだリスクが高いと見ています。米朝のにらみ合いが続いている状況ですが、来週21日には米韓合同軍事演習が行われ、25日は「先軍節」にあたり、このあたりが「Xデー」の有力な候補日と見られているようです。
 また、来月9日も北朝鮮の『建国記念日』であることから、要注意日と見られています。いずれにしても、米国から攻撃を開始する可能性はそれほど高くはないと思われ、韓国の文大統領も「誰も韓国の同意なしに軍事行動を決定することはできない」と釘を刺しています。

 ドル円は110円台後半まで買い戻されましたが、このまま111円台に乗せ、安定するにはさらなる材料が必要です。このまま米朝の軍事行動が見られずにらみ合いが続くようであれば、市場の材料としての「価値」も、徐々に薄れ、正常な状態に戻ることもあり得ますが、まだ予断は許しません。ただ、昨日あたりから市場関係者の相場観にもやや変化が見られるのも事実です。ブルームバーグ・ニュースでは、カナダのTD(トロント・ドミニオン銀行)の為替責任者は「ドルの対円相場は上昇への機が熟している」とし、「1ドル112円50銭が視野に」との見方を示していると伝えています。

 本日はやや円安が進んだこともあり、日本株も昨日程ではないとしても堅調に推移すると見られます。予想レンジは110円~111円程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)