ドル円は北朝鮮問題がくすぶる中、円を買う動きが加速し一時108円74銭までドル安円高が進む。トランプ大統領の強気な発言や、消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが手掛かりだったが、引けにかけては109円台に戻す。

 ユーロドルでもドル売りが進み、1.1848までユーロが買われる。株式市場は前日の急落から落ち着きを取り戻す。ダウは14ドル上昇し、VIX指数も反落。債券相場は北朝鮮問題を背景に続伸。長期金利も2.2%の大台を下回り、2.18%台まで低下。金は続伸し、原油価格も反発。


7月消費者物価指数  → 0.1%

ドル/円108.74~ 109.40
ユーロ/ドル1.1755~ 1.1848
ユーロ/円  128.57~ 129.11
NYダウ  +14.31 → 21,858.32
GOLD  +3.90 → 1294.00ドル 
WTI +0.20 → 48.79ドル  
米10年国債  -0.009 → 2.189%

本日の注目イベント

日   4-6月GDP(速報値)
中   中国 7月小売売上高
中   中国 7月鉱工業生産
欧   ユーロ圏6月鉱工業生産
米   カプラン・ダラス連銀総裁スピーチ
米   エバンス・シカゴ連銀総裁スピーチ


 ドル円は米国と北朝鮮との間で緊張がさらに高まったとの見方から、安全通貨の円を買う動きが強まり、先週末のNY市場では6月14日以来となる108円74銭まで円高が進んでいます。トランプ大統領が「北朝鮮への攻撃の準備は完全に整っている」などと発言したことで、軍事行動に出るのではないかとの懸念が強まっています。

 もっともこの日は、発表された7月の消費者物価指数(CPI)が0.1%と、市場予想を下回ったことで、利上げ観測がやや後退したこともドルを売って、円を買う動きを加速させたようです。ドル円は6月14日に記録した108円88銭の直近の円高水準をわずかですが下抜けし、同時に4月17日のドルの底値から描くことのできる「サポートライン」を下抜けしたと見られます。

 今後の展開は北朝鮮問題の行方次第ということになりますが、専門家の間でも今後の展開については意見が分かれています。今朝の情報でも、ポンペオ中央情報局(CIA)長官とマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日にそれぞれ次のように述べています。ポンペオ長官は、「FOXニュース・サンデー」とのインタビューで、「われわれが核戦争の間際にあるということを話す人たちがいるが、自分たちが現在そうした状況にあるということを示す情報はない」と述べ、北朝鮮の短期的な意図を十分把握しているとしています。またマクマスター氏はABCの番組「ジズ・ウィーク」で、「われわれは1週間前に比べて、戦争に近づいたということはない。ただ10年前よりは戦争に近づいている」と語っています。(いずれもブルームバーグ)

 一部の専門家は、緊張が高まっているのは事実だが、水面下では対話への交渉も行われているのではないとの見方も示しており、さらにトランプ大統領周辺では戦争回避に向けて説得もしており、大統領一人では決定できないといった見方もあります。ただひとたび戦争になれば、韓国への甚大な被害は避けられず、韓国の了解なしでは攻撃できないのではないかといった意見もあります。筆者の友人の在日韓国人と昨日話をしたところ、「もしそういう事体になれば、攻撃の前にソウルにいる米国人を南に移動させるはずだ」と話していました。

 また彼は1週間前にソウルに行ってきましたが、それほど緊張は高まっていなかったとも語っていました。武力衝突は避けられるのかどうか。もし戦争になった場合に、日本も無傷でいられるのかどうか、予想できません。その場合、ただ安全通貨といわれる円を買っているのが正解なのか難しい問題です。報道では、明日15日の解放記念日と、21日の米韓合同演習を行う日が危険なのではないかということです。

 ドル円はまだしばらくは下値を試す展開かと思われます。米国と北朝鮮との間でにらみ合いが続くかぎり、ドルの上値は重いと見られますが、それでもどこで急反発するかは分からず、神経質な相場展開が続きそうです。

 本日は108円50銭~109円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)