ドル円は北朝鮮リスクの高まりから円買いが強まり、109円56銭まで円高が進む。ただその後ドルは下げ渋り110円台まで反発。ユーロドルは続落。ユーロの利益確定売りが続き、1.1689まで下落。ユーロは対円でも128円台半ばまで売られる。株式市場は続落。トランプ大統領が引き続き北朝鮮に対する非難を強めたが、緊張はやや緩和。ダウは36ドル下げ、その他の主要株価指数も小幅に続落。リスクの高まりから債券は買われる。長期金利は2.24%台に低下。北朝鮮問題の深刻化から安全資産の金は上昇。原油価格も反発。

ドル/円109.56~ 110.17

ユーロ/ドル1.1689~ 1.1762

ユーロ/円  128.44~ 129.45

NYダウ  -36.64 → 22,048.70

GOLD  +6.70 → 1279.30ドル 

WTI +0.39 → 49.56ドル  

米10年国債  -0.014 → 2.248%


本日の注目イベント

欧   OPEC月報
英   英6月鉱工業生産
英   英6月貿易収支
米   新規失業保険申請件数
米   7月生産者物価指数
米   7月財政収支
米   ダドリー・NY連銀総裁記者会見


 それにしても日本株の弱さには驚きです。北朝鮮と米国との間で緊張が高まり、ひょっとしたら軍事行動もあり得るのではないかといった雰囲気になってきたことで、リスク資産の株が売られています。ただ、米国株の下落に比べ、日本株の下げは際立っていました。昨日の日経平均株価は一時300円を超す下げを見せ、1万9600円台まで売られる局面もありました。特に昼近くには、北朝鮮がグアム周辺の攻撃を慎重に検討しているとの報道が伝わると、ドル円も109円70銭台まで下げ、株価の下げを増幅しました。

 これまで柔軟な姿勢を見せていたトランプ大統領が強い口調で、「炎と怒り」という言葉を使ったことで、軍事行動もあり得るのではとの懸念が強まっています。トランプ氏は昨日もツイッターで「大統領として私の命令は米国の核兵器改修と近代化だった。現在は従来よりも力強くなり、威力も増している」とコメントしました。ただ、専門家は「米国の核弾丸には威力が増すような変化はない」と否定しています。(ブルームバーグ)一方北朝鮮はトランプ氏の「炎と怒り」発言に対して、「理性に欠けたこうした人物との健全な対話は可能ではない。絶対的な力だけが影響を与える」と朝鮮中央通信は報じています。

 北朝鮮問題はこれまでもリスクとして存在していましたが、理性ある対応で外交的解決の道も模索されてきましたが、ここにきて米国の対応に変化が出てきたことから、新たなステージに入った可能性もあります。トランプ大統領は、自身のロシアゲート問題も抱えており、まさに「内憂外患」といった状況です。主要な政策であったオバマケアの廃止とその代替案も、今だに未解決です。国境税の成立も不透明で、このままでは法人税の大幅減税も原資を巡って成立が危ぶまれている状況です。大規模な景気刺激策そのものが実施できるのかどうか懸念されます。

 ドル円はNY市場で109円56銭まで売られ、約2カ月ぶりの円高水準を付けました。109円台前半を割り込むと、円高の勢いが増すのではないかと昨日コメントしましたが、これは4月17日の108円13銭と、6月14日の108円82銭を結ぶサポートラインを割り込むことになるからです。(日足ベース)昨日は109円台半ばまでドル安が進んだことで、一旦このサポートを抜けましたが、その後110円台まで値を戻したことで、引け値ベースでは抜け切れていません。上値は重いものの、一気に円高が進む状況ではないということかもしれませんがまだ予断は許しません。シカゴ先物市場での円の「売り建て玉」は、先週火曜日時点でも11万2千枚と、依然として高水準です。あるレートを割り込むと一斉に巻き戻しに出る可能性もあり、ドルの売り圧力になっているのも事実です。

 今後の展開は北朝鮮と米国の出方次第ですが、軍事専門家の意見の多くは「武力衝突はない」というものです。それでも用心は必要です。明日からの3連休にも注意が必要かと考えます。本日は昨日大きく下げた株価の行方と、109円台半ばが維持されるのかどうかがポイントになりそうです。レンジは109円30銭~110円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)