お金のデザインが提供するロボアドバイザー「THEO(テオ)」は、7月26日から取り扱いを開始したSBI証券、住信SBIネット銀行で、当初の想定を超える申し込みを受け付けて順調なスタートを切った。8月7日に、東京・渋谷で開催した記者会見には、SBI証券の代表取締役社長の高村正人氏、住信SBIネット銀行代表取締役社長の円山法昭氏がそろって登壇し、「ロボアドによって銀行の資産運用サービスが大きく変わる実感がある」(円山氏)など、THEO取り扱いの手ごたえを語った。お金のデザイン代表取締役CEOの中村仁氏は、「SBIグループとの業務提携によってFintechの強みを生かしたサービスをスピーディに拡充していきたい」と意欲を示した。(写真は、8月7日に東京・渋谷で開催した記者会見の様子。左からSBI証券社長の高村正人氏、お金のデザインCEOの中村仁氏、住信SBIネット銀行社長の円山法昭氏)

 SBI証券は今年1月からウェルスナビ社のロボアド「WealthNavi」の取り扱いを開始し、2月から取り扱いを開始した住信SBIネット銀行と合わせて6月にはWealthNaviの合計残高が100億円を突破。7月半ばにはSBI証券単独で残高が100億円を突破した。

 SBI証券は6月末時点で総口座数が392万口座と最大手の野村證券に次ぐ業界2番目の口座数を有するが、「WealthNaviの取り扱い開始前に実施したお客さまアンケートでは、毎月3万件以上の新規口座開設のお申込みのうち80%は投資未経験の方。その半分がロボアドに興味を持つとお答えいただいている。WealthNaviに想定以上のお申し込みをいただいたので、お客さまに選択肢を持っていただくためにも、私どもの方から積極的に動いて『THEO』の取り扱いを始めた。公式ホームページに2つのロボアドの比較サイトを設け、比較検討のうえで選んでいただきたい」(高村氏)と語っていた。

 住信SBIネット銀行は、預金残高が4兆2000億円超でネット銀行で第1位の残高を保有しているが、「銀行と資産運用の結びつきが難しく投信販売等の残高を伸ばすことは課題だった。2月末にWealthNaviの取り扱いを開始し、THEOも加えた足元では投信残高の伸びの50%がロボアド経由で入ってきている。THEOの導入でWealthNaviの増加が鈍化することも考えられたが、そのような兆候はなく、THEOが最低投資金額が10万円という手ごろさもあって、最低投資金額30万円のWealthNaviの2倍-3倍の勢いで口座数が伸びている。ロボアドが競合することによって、すそ野が拡大することを期待している」(円山氏)と語った。

 「THEO」は簡単な5つの質問に答えることでリスク許容度を診断し、世界中の約30種類のETF(上場投資信託)の組み合わせによる最適なポートフォリオを提案し、毎月のリバランスなどを自動的に行う投資一任運用型の商品。運用報酬は預かり資産残高に対し年1%。8月7日時点で運用実施者は1万3189人になり、運用残高は約100億円になった。51%のユーザーが20代・30代で、利用者の89%が投資のほぼ未経験者という特徴がある。

 中村氏は「従来の資産運用サービスは、資産をたくさん持っている高齢者向けに主に提供されてきているが、THEOは40代までが利用者の80%を占め、資産形成のためのツールとして使っていただいている。SBIグループとはFinTech事業領域における協業をめざした業務提携を結んでおり、提携を通じた新しいサービスの開発を加速させたい。同時に、現在提携関係にある地方銀行や事業会社とのパートナーシップも活かして広くロボアドバイザーの利用を呼び掛けていきたい」とした。

 そして、「THEO」は8月24日にフルモデルチェンジを実施し、最低投資単位を1万円に引き下げる。また、従来の5つの質問でリスク許容度を診断してポートフォリオを提案するステップをとらずに、年齢、年収、金融資産残高、毎月の貯金額など、定量情報だけで運用ポートフォリオを自動的に提案する「THEOにおまかせ」コースを新設する。

 お金のデザインCOOの北澤直氏は、「これまでにお客さまからいただいた声を聞くと、5万円以下で始めたいという要望が強かった。また、リスク許容度診断の内容についても、後日訂正したいと思うなど不確定なので、いっそ全てを自動でやってほしいという声もあった。今回、1万円からスタートできるようにし、お試しで始めるような資産運用のきっかけにしていただきたい。また、これまで以上に強調して積立投資をご提案し、資産形成のツールとしてTHEOを幅広い方々につかっていただけるようにしたい」と新サービスに切り替える狙いを語っていた。(情報提供:モーニングスター社)