日本エム・ディ・エム <7600> は整形外科分野の医療機器専門商社である。米国子会社ODEV製品の拡販によって自社製品比率が上昇し、収益力が向上している。18年3月期第1四半期は大幅増益だった。通期も2桁増益予想、そして連続増配予想である。株価は06年来高値圏である。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
  
■整形外科分野の医療機器専門商社、自社製品比率上昇して収益力向上
 
 人工関節製品、骨接合材料、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器専門商社である。メーカー機能強化による高収益体質への転換を目指して米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販を推進し、自社製品比率が上昇して収益力が向上している。米ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得している。
 
 16年5月には日本特殊陶業 <5334> と資本・業務提携した。伊藤忠商事 <8001> が保有する当社株式を日本特殊陶業が取得した。
 
 17年3月期セグメント別売上高構成比は日本国内販売66%、米国販売34%だった。製品別売上構成比は日本国内の人工関節33%、骨接合材料22%、脊椎固定器具10%、人工骨1%、その他2%、米国の人工関節33%、脊椎固定器具1%だった。また自社製品比率は16年3月期比2.4ポイント上昇して87.5%となった。
 
 収益面の特性として、医療機器償還価格の影響や為替変動の影響を受けるほか、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があるため、業績も下期の構成比が高い傾向があるとしている。
 
■自社製品中心に品揃え強化
 
 米ODEV社製の自社製品を中心に品揃えを強化している。16年5月米ODEV社製の人工股関節製品「Alpine Cemented Hip System」を米国で販売開始し、16年6月には日本国内でも販売開始した。
 
 16年10月ベルギーのMaterialise社製造の患者適合型関節手術用器械「Acetabular Cup Orientationガイド」の薬事承認を取得した。人工股関節置換術手術の際に患者のCTデータをもとに設計され、3Dプリンタによって作成される手術用器械である。
 
 16年12月日本特殊陶業の人工骨「セラリボーン」を販売開始した。先行販売している人工骨「プリマフィックス」および「プリマボーン」に、新たなバリエーションとして吸収型の人工骨が加わった。また米ODEV社製の骨接合材料新製品「ARISTOネイルシステム」を販売開始した。販売中の上腕骨近位端骨折に対応する骨接合材料に本製品が加わった。
  
 17年6月には米ODEV社が、中国のChina Pioneer Pharma Holdings(CPP社)と、中国における独占販売提携契約を締結した。18年1月から中国CPP社を通じて、米ODEV社製人工膝関節製品を中国の医療従事者へ提供する。中国市場での拡販環境の整備・準備のため、18年3月期連結業績への影響は軽微だが、中期的には中国の人工膝関節市場の拡大に伴って収益への寄与が期待される。
 
■18年3月期第1四半期は大幅増益
 
 7月31日発表した今期(18年3月期)第1四半期(4月~6月)連結業績は、売上高が前年同期比4.3%増の33億69百万円、営業利益が34.6%増の4億59百万円、経常利益が38.0%増の4億52百万円、純利益が33.3%増の2億80百万円だった。
 
 日本国内では17年1月と4月に償還価格が引き下げられたが、米ODEV社製製品の売上が堅調に推移した。米国においても人工関節製品の売上が堅調に推移した。自社製品比率は2.6ポイント上昇して89.7%となり、売上総利益率が改善して大幅増益だった。売上総利益は7.1%増加し、売上総利益率は72.5%で1.8ポイント上昇した。販管費は2.2%増加したが、販管費比率は58.9%で1.2ポイント低下した。
 
 セグメント別(連結調整前)に見ると、日本は売上高が2.2%増の21億74百万円で営業利益が22.6%増の2億03百万円、米国は売上高が2.4%増の18億96百万円で営業利益が61.2%増の2億30百万円だった。
 
 製品別売上高は、人工関節分野が7.5%増の22億67百万円(国内が4.8%増、米国が10.2%増)、骨接合材料(国内)が3.9%減の6億50百万円、脊椎固定器具が1.7%減の3億57百万円(国内が3.2%増、米国が57.6%減)だった。人工関節分野は米ODEV社製人工関節製品Alpineセメンテッドヒップシステムやオベーションヒップシステムが好調だった。骨接合材料分野はARISTOネイルシステムやMDMプリマヒップスクリューシステムが堅調だったが、他社製品の売上が減少した。
 
■18年3月期通期も2桁増益予想、そして連続増配予想
 
 今期(18年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比8.6%増の148億円、営業利益が15.2%増の22億円、経常利益が20.2%増の21億円、純利益が15.0%増の13億円としている。配当予想は同1円増配の年間8円(期末一括)としている。連続増配予想で、予想配当性向は16.3%となる。
 
 償還価格段階引き下げや、北米市場における集中購買等による販売価格低下などの影響があるが、米ODEV社製の人工股間接製品オベーションヒップシステムや脊椎固定器具IBISスパイナルシステム、当社と米ODEV社が共同開発した骨接合材料製品MODEシリーズなど、主力製品の販売が引き続き好調に推移し、自社製品比率上昇も寄与して2桁増益予想である。なお想定為替レートは1米ドル=110円としている。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高22.8%、営業利益20.9%、経常利益21.5%、純利益21.5%である。やや低水準の形だが下期の構成比が高い収益特性を考慮すればネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。
 
■中期計画の目標18年3月期ROE8.0%は17年3月期に前倒し達成
 
 15年4月策定の新中期経営計画「MODE2017」では、経営指針を「成長領域への積極投資を通じ新たなステージへ成長を加速させる」として、顧客ニーズに対応した自社新製品開発強化、10品目以上の自社開発新製品群の継続的市場投入、整形外科領域周辺・隣接分野での調達力強化、製品ラインナップ強化、北米市場での販売拡大、自社製造能力(米ODEV社)拡大と製造コスト低減、品質管理強化、製造から販売・市販後まで一貫した安全管理体制整備などの施策を推進している。
 
 経営目標数値としては18年3月期売上高160億円、営業利益20億円、経常利益18億円、ROE8.0%を掲げている。17年3月期にはROE目標値を前倒し達成した。そして18年3月期には利益目標を達成する見込みだ。高齢化社会到来の背景もあり、自社製品拡販が牽引して中期的に収益拡大基調が予想される。
 
■株価は06年来高値圏、好業績を評価して上値試す
 
 株価は06年来高値の7月4日1053円から利益確定売りで一旦反落して900円台でモミ合う形だったが、第1四半期業績を好感する形で8月1日に1052円まで上伸して7月4日高値に接近した。
 
 8月1日の終値1037円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円19銭で算出)は21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS464円72銭で算出)は2.2倍近辺である。時価総額は約275億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。そして26週移動平均線も上向きに転じて先高感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)