ドル円はユーロドルでドル安が進んだことと、トランプ政権の政治的リスクを織り込む形で下落。110円21銭までドル売りが進み、この日の安値圏で引ける。発表されたユーロ圏の経済指標がECBの政策変更を促すとの見方からユーロドルは続伸。一時は1.1845までユーロ高が進み、2015年1月以来のユーロ高を示現。株式市場は引き続きハイテク株が軟調となり、ナスダックは26ポイント下落、一方ダウは4営業日連続で最高値を更新。引け値では2万1900ドルに迫る。債券相場は小動き。長期金利はやや上昇し、2.29%台で引ける。金は反落。原油価格は6日続伸し、2カ月ぶりに50ドルの大台に乗せる。

7月シカゴ購買部協会景気指数   →  58.9

6月中古住宅販売成約指数     →  +1.5%

ドル/円110.21~ 110.64

ユーロ/ドル1.1724~ 1.1845

ユーロ/円  129.65~ 130.59

NYダウ  +60.81 → 21,891.12

GOLD  -1.90 → 1273.40ドル 

WTI +0.46 → 50.17ドル  

米10年国債  +0.005 → 2.294%

 
本日の注目イベント

豪   RBA、キャッシュターゲット
中   中国 7月財新製造業PMI
独   独7月雇用統計
欧   ユーロ圏7月製造業PMI(改定値)
欧   ユーロ圏4-6月期GDP(速報値)
米   6月個人所得
米   6月個人支出
米   6月PCEコアデフレータ
米   7月ISM製造業景況指数
米   7月自動車販売台数
米   企業決算 → ファイザー、アップル

          
 ドル円は続落し、110円台前半まで円高ドル安が進みました。先週以来ドルの上値が重い展開が続いていましたが、昨日はユーロ高に引っ張られる格好で円も買われた部分があります。ユーロは約2年半ぶりとなる1.1845まで買われました。失業率が低下したことと、消費者物価指数が1.3%に上昇したことで、ECBが量的緩和の縮小に踏み切りやすくなるといった見立てからユーロ買いが強まったものです。

 さらにドル円を押し下げたのは、再びトランプ政権の政治的リスクが意識されたこともあります。トランプ大統領は昨日、就任からわずか10日のスカラムッチ広報部長を解任しました。28日にプリーバス主席補佐官を更迭したことに続くものです。「恐慌政治」というと言いすぎかもしれませんが、コミーFBI長官の更迭を含め、これで大統領就任以来5人目の追放です。昨日、FRBのフィッシャー副議長が講演を行いましたが、議長もその講演の中で、「ヘルスケアや規制、税制、貿易の政策に先行き不透明感がある。政治的な不透明感は経済成長を損なう」と発言しています。

 ドル円はサポートゾーンである110-110円50銭の中で、ゆっくりと下値を試している展開です。ドル上昇のきっかけをなかなか掴めない状況が続いており、政治的リスクと、北朝鮮問題などの地政学的リスクが円買いを誘っている動きです。110円を割り込み、一気に円高に向かうという状況ではないものの、このまま週末の雇用統計を迎え、仮にその内容が悪かった場合には今年6月に付けた108円82銭の直近安値を試すことも想定されます。

 雇用統計の前に、本日は6月のPCEコアデフレータが発表されます。イエレン議長は先の議会証言で「FOMCは今後数カ月のインフレ率を注視する」と述べており、今夜の数字も今後の利上げを占う意味では重要です。事前予想では先月と同じく、年率で1.4%を予想しています。この数字を下回るようだと、ドル売りを誘発するかもしれません。本日のドル円は109円70銭~110円70銭程度を予想しますが、欧州時間に入ったらユーロドルの動きにも注意が必要です。4-6月期のGDPが発表されます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)