ドル円は堅調に推移し、FOMC声明文発表前には112円21銭までドル高が進んだものの、声明文を受け反落。インフレ率に関する文言がややハト派的だったことから、111円07銭まで売られ、この日の安値圏で引ける。前日IMFのレポートで急落したユーロドルは反発。声明文がドル安材料であったことで1.1740までユーロが買われ、2015年1月以来となるユーロ高を記録。FOMC声明文で利上げ期待がやや後退したことから株価は続伸。ダウは連日100ドル近い上昇を見せ、引け値では2万1700ドル台に乗せ、最高値を更新。債券相場は反発。インフレ率が依然として目標値を下回っていると記載されていたことで買い物を集める。長期金利は2.28%台まで低下。金は3日続落し、原油は続伸。

6月新築住宅販売件数   → 61.0万件

ドル/円111.07~ 112.21

ユーロ/ドル1.1622~ 1.1740

ユーロ/円  130.02~ 130.61

NYダウ  +97.58 → 21,711.01

GOLD  -2.70 → 1249.40ドル 

WTI +0.86 → 48.75ドル  

米10年国債  -0.048 → 2.287%


本日の注目イベント

中   中国 6月工業利益
欧   ユーロ圏6月マネーサプライ
米   6月耐久財受注
米   新規失業保険申請件数
米   企業決算 → P&G、ツイッター、ベライゾン、インテル、スターバックス、アマゾン


 注目のFOMCでは予想通り政策の変更はなく、500兆円規模の保有資産の縮小に関しては6月の声明文から修正された分、市場はドル売りで反応しています。保有資産縮小に関する声明文では、6月の「年内開始」から「比較的早期に開始する」という文言に修正され、「委員会はインフレの進展を現実と期待の面から、対称的なインフレ目標と関連付けて注視していく」と記載されていました。

 この声明文を受けドル売りが強まり、ドル円は直前の高値、112円21銭近辺から111円07銭まで売られ、ユーロドルも1.1740までドル安が進み、こちらは2015年1月以来のユーロ高水準を記録しました。先の議会証言で「インフレ率を注視する」とイエレン議長は発言しましたが、今回の声明文でも前年比でのインフレ率が「2%を下回る水準で推移している」と指摘し、6月の声明文にあった「やや」という文言を削除したことから、FRBが最近の低調なインフレ率を意識したものと市場は受け止めて、ドル売りで反応しています。(ブルームバーグ) 

 110円台半ばから反発し、112円台に乗せたものの、わずか1日で111円近辺まで押し戻されたドル円は、依然として110-115円のレンジ内で推移しています。このレンジの上か下を抜け切る鍵を握っているのが米国の長期金利であると昨日も述べましたが、足元のそれは2.28%台で、なかなか「2.6%の壁」を突破できません。声明文からも9月の会合でのバランスシートの縮小の可能性は排除できません。これまで通り今後の経済データ次第ですが、その中でもインフレ指標がより注目されることになります。

 昨日オーストラリアの第2四半期の消費者物価指数(CPI)が発表されました。FRBと同じように、同数値がRBA(オーストラリア中銀)の目標に届かなかったということで発表後豪ドルが急落しましたが、今朝は再び前日の水準を回復しています。RBAのロウ総裁は昨日講演で、主要国で利上げ機運が高まっていることについて「世界の他の中銀に金利で歩調を合わせる必要はない」と述べ、利上げには否定的な見方を示しました。また豪ドルの水準についても「豪ドルがやや下落すればもっと良い」とも述べ、豪ドル下落に拍車をかけましたが、今朝方のFOMC声明文をきっかけに元の水準を回復しています。労働市場の改善が続いているオーストラリでは、いずれそう遠くない時期に利上げがテーマになって来ると予想していますが、やや長い目で見て豪ドルの押し目買いが有効かと思います。

 ドル円は再び110円台を覗く水準まで下落してきましたが、上記豪ドル円や、ユーロ円の130円台回復を見ると、クロス円の上昇がドル円を下支えする構図にもなっていると考えられます。従って上値の重いドル円ですが、110円が維持されている間はレンジ内での推移と見ていいと思います。ただ足元の動きは110円突破を狙った動きと見られます。本日のレンジは110円70銭~111円70銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)