上値の重いドル円は欧州市場でもジリ安が続き、110円62銭まで売られた。NY市場でも110円78銭の安値をつけたが、その後金利が上昇したこともあり111円台に戻して引ける。ユーロドルは上値がやや重くなってきたものの下げる気配はなく、終始1.16台で推移。株式市場は材料のない中、セクター別で強弱まちまち。ダウは3日続落したが、ナスダックは23ポイント上昇し、最高値を更新。債券相場は終日軟調な展開。3カ月物の財務省短期証券(Tビル)の入札が不調だったことが響いた。長期金利は2.25%台へと小幅に上昇。金は小幅に反落、原油価格は前日の大幅下落から反発。


ドル/円110.78~ 111.32

ユーロ/ドル1.1626~ 1.1657

ユーロ/円  129.01~ 129.49

NYダウ  -66.90 → 21,513.17

GOLD  -0.60 → 1254.30ドル 

WTI +0.57 → 46.34ドル  

米10年国債  +0.018 → 2.255%


本日の注目イベント

日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(6月15日、16日分)
独  独7月ifo景況感指数
米  FOMC(26日まで)
米  5月FHFA住宅価格指数
米  5月ケース・シラ-住宅価格指数
米  7月消費者信頼感指数
米  7月リッチモンド連銀製造業指数
米  企業決算 →マクドナルド、キャタピラー、GM、AT&T、デュポン、3M
     

 ドル円は昨日の朝方日経平均株価の下落とともに110円77銭まで売られたが、その後111円台に戻す展開でした。欧州市場では再び下落し、110円62銭までドル安が進みました。NY市場でも引き続き上値は重かったものの、長期金利が上昇したことを手掛かりにドルを買う動きも出て、111円台で戻って来ました。

 今月11日に114円49銭の高値をつけてからは一貫して下げて来ました。約4円ほど下げたことになりますが、足元ではレンジの下方である110円を試している展開です。今日の動きで111円台半ばを超える場面があれば、短期的には110円台半ばで下げ止まった印象も出ており、若干値を戻すことも考えられます。

 本日から始まるFOMCの内容が明日声明文として発表されますが、労働市場が好調の割には、その他の経済データがよくありません。特に消費者物価指数など、インフレ指標が伸びず、これが利上げ観測にブレイキをかけています。イエレン議長も、先の議会証言で「FOMCは向こう数カ月インフレ動向に注視していく」と述べています。直近のインフレ率の鈍化を受けても、利上げの道筋に変化はないのかどうかを確認したいと思います。今回のFOMCでは、声明文発表後にイエレン議長の会見は予定されていません。そのためサプライズはないと思われますが、それでも上述のように、声明文の内容次第では為替に影響を与えます。

 今回のFOMCが「無風」に終わると、8月はFOMCが開催されないので、次の注目は8月24~26日に行われる「ジャクソンホール」です。これはカンザスシティー連銀が毎年開催する「経済シンポジューム」です。既にECBのドラギ総裁の講演が予定されており注目を集めていますが、イエレン議長も参加することになっています。現時点では講演があるかどうかは定かではありませんが、近いうちに同連銀からアジェンダが公表されることになっています。9月のFOMCを前にイエレン議長の胸のうちを探る良い機会になるかもしれません。

 ここまでのドル円下落の要因は、長期金利の低下とトランプ政権への不透明感がメインでした。引き続きこの2つが重要な鍵を握っていますが、トランプ氏の娘婿であるクシュナー上級顧問は昨日、上院情報特別委員会から2時間半に及ぶ聴取を受けました。氏はその後の会見で「私はロシアと共謀しなかったし、トランプ陣営の他の誰かが共謀したとも関知していない」とホワイトハウスで述べています。一方で、期間中にロシア人と4回接触したことは認めているようで、(ブルームバーグ)まだ不透明さは拭いきれません。

 本日は110円台半ばが維持されたことで、戻り上値を確認する展開を予想しています。レンジは110円70銭~111円70銭程度をみています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)