ドル円は続落し、ちょうど1カ月ぶりとなる111円01銭までドル安が進む。ホワイトハウスのスパイサー報道官が辞任したことで、トランプ政権の政策推進がより不透明となり併せて、長期金利の低下傾向が止まらないことも円買いにつながった。ユーロドルは小幅ながら続伸。ドル安に引っ張られ、1.1683まで買われる。

 株式市場は続落。トランプ政権に対する不透明感に加え、GEの決算も失望を招き、ダウは31ドル下落。また原油価格の大幅下落もエネルギー株の下押し要因に。債券は株価の下落を受け買い物を集める。長期金利も低下し、3週間ぶりの低水準に。金は6日続伸。原油はOPEC加盟国の7月の原油生産量が今年最高になるとのレポート受け大幅に下落。


ドル/円111.01~ 111.55

ユーロ/ドル1.1636~ 1.1683

ユーロ/円  129.46~ 129.88

NYダウ  -31.71 → 21,580.07

GOLD  +9.40 → 1254.90ドル 

WTI -1.32 → 45.60ドル  

米10年国債  -0.021 → 2.238%


本日の注目イベント

独  独7月製造業PMI(速報値)
独  独7月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏7月総合PMI(速報値)
欧  ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
米  6月中古住宅販売件数
米  IMF、世界経済見通し                           

 トランプ政権のロシアを巡る問題で、既にモラー特別検察官が捜査の範囲を広げていることに加え、今度はホワイトハウスのスパイサー報道官が辞任するというニュースを受け、ドルが下落しています。トランプ政権の政策実施がますます遅れ、先行きがさらに不透明になってきたことでドルの下落が続き、なかなか買い場を見つけにくい状況です。ドル円は先月22日以来となる111円ぎりぎりのレベルまで売られてきました。

 前日まで、重要な移動平均線が多く集まるため、底堅い動きを見せていた111円台半ばを割り込み、111円01銭までドル安が進んで来ました。この水準も、「日足」では雲の上限にあたり、ドルの下落を抑えるゾーンになっていますが、厚さはそれほどありません。トランプ政権の混迷を背景に米長期金利の低下傾向が続き、これがドルを押し下げていますが、当のトランプ氏は相変わらず意に介していないところが、今後の政権運営を不透明にしています。

 シューマー民主党上院院内総務はABCのTV番組で「トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。」と述べています。(ブルームバーグ)この発言は、トランプ氏が「米大統領が恩赦に関する完全な権限を持つことは誰もが同意していることだ」とツイートとしたことに対するコメントで、大統領周辺がますます不透明になっています。

 ユーロドルの上昇が止まりません。先週末には1.1683までユーロ高が進み、2015年8月に記録した1.1713が視野に入ってきました。既に今年1月の底値からは1300ポイント以上の上昇を記録しており、ECBによる量的緩和の縮小開始が「秒読み段階」に入っているとはいえ、やや急騰のスピードが速すぎる印象です。上記水準を抜けば、その上には200週移動平均線が1.1796近辺にあり、この辺りを抜くことが出来るかどうかが最大の焦点になると考えています。

 ECBはまだ利上げ政策に舵を切ったわけではありません。マイナス金利を正常化しようという段階です。市場の雰囲気は「まだまだ上がる」といった状況のようですが、1.17台からの上値には注意が必要だと思います。ドル円についても上で述べたように、雲を下抜けすれば6月22日以来となる110円台です。米長期金利次第というところですが、110円―110円20銭辺りが、目先の下値のメドと予想していますが、どうでしょうか。

 本日のレンジは110円50銭~111円50銭程度を予想します。トランプ政権の混迷度がさらに増すのか、長期金利の行方とともに見ていきたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)