今後の中国経済をリードするのは消費となりそうだ。  大和総研の経済調査部主席研究員、齋藤尚登氏は7月20日、『中国:4月~6月は高水準の成長率を維持』と題したレポート(全10ページ)を発表し、国家統計局の公表したデータを元に、中国国内の景気の動向を考察している。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆国家統計局によると、2017年4月~6月の実質GDP成長率は前年同期比6.9%(以下、変化率は断わりのない限り、前年比、前年同期比、前年同月比)であった。1月~3月の6.9%成長に続き、4月~6月も高水準の成長率を維持した。
 
◆リード役は消費である。小売売上は2017年1月~3月の10.0%増から4月~6月は10.8%増に伸び率を高め、足元で消費は加速している。鉄鋼・石炭など川上産業から始まった企業業績の回復もあり、国民一人当たり可処分所得は2016年の8.4%増から2017年1月~3月は8.5%増、4月~6月は9.1%増となった。さらに、雇用の改善が消費センチメントを大きく改善させていることもある。
 
◆固定資産投資は2016年の8.1%増から2017年1月~3月は9.2%増に加速したが、1月~6月には8.6%増に減速した。今後は、引き締め気味の金融政策の影響が、不動産開発投資やインフラ投資などでより強く出てくることで、固定資産投資は緩やかな減速が続く可能性が高い。
 
◆輸出入は2016年の前年割れから大きく改善している。人民元建て輸出入の増減率を価格と数量に分けて見ると、2017年以降は原油価格上昇を背景とした「価格」のみならず、「数量」がコンスタントに増加するようになったことが特徴的である。輸出数量の増加は米国を中心とした主要先進国の景気拡大がその背景であり、輸入数量の増加は消費を牽引役とした内需の堅調が寄与していよう。
 
◆今後の中国経済は、インフラ投資と不動産開発投資の減速による固定資産投資の鈍化が想定されるが、消費が景気を下支えすることで、減速をしても緩やかなものにとどまろう。年前半の景気が想定以上に強かったことを踏まえ、2017年の実質GDP成長率の見通しを6.8%(従来は6.6%)に上方修正する。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)