パイプドHD <3919> は情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、情報資産プラットフォーム事業、広告事業、ソリューション事業を展開している。18年2月期第1四半期は2桁増収増益だった。通期は先行投資負担で営業利益横ばい予想だが増額余地がありそうだ。株価は第1四半期2桁増益を好感して年初来高値圏だ。基調転換して上値を試す展開が期待される。
 
■情報資産プラットフォーム事業などを展開
 
 国内最大規模の情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、情報資産プラットフォーム事業(情報資産プラットフォーム「スパイラル」によるデータ管理などのクラウドサービス提供)、広告事業(アフィリエイトASP一括管理サービスなど)、ソリューション事業(インターネット広告制作やWebシステム開発の請負、BIMコンサルティング、デジタルCRMなど)を展開している。
 
 17年2月期の売上構成比は、情報資産プラットフォーム事業が71%、広告事業が5%、ソリューション事業が25%である。また18年2月期から公益性の高い事業を行う社会イノベーション事業をセグメントとして新設した。なお情報資産プラットフォーム事業は、契約数増加に伴って月額サービス収入が拡大するストック型の収益構造である。
 
 17年3月末現在の連結子会社は、パイプドビッツ(情報資産プラットフォーム・広告・ソリューション)、ペーパーレススタジオジャパン(建築プロデュース&マネジメント・BIMコンサルタント)、アズベイス(コールセンタープラットフォームサービス「BizBase」運営)、パブリカ(マイ広報紙)、ゴンドラ(情報資産プラットフォーム・広告・Webソリューション)、フレンディット(サイト企画・制作・構築およびEC運用)、美歴(美容室向け電子カルテ「美歴」運営)、カレン(デジタルCRM)、ブルームノーツ(人材育成代行)、VOTE FOR(政治関連活動「政治山」運営およびソリューション)、アイラブ(イベント運営)の11社である。
 
 持分法適用関連会社はMAKE HOUSE(住宅業界向けBIM事業)で、持分法を適用しない出資会社は、ソーシャルマネジメントプラットフォーム事業の米国SprinklrとSprinklr Japan、およびMOKIとインタラクティブ・コミュニケーションズである。
 
 17年6月にはパイプドビッツがオフショア開発拠点としてカンボジアに現地法人を設立し、業務を開始した。
 
■情報資産プラットフォーム「スパイラル」は国内最大規模
 
 情報資産プラットフォーム事業は国内最大規模の情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、アパレル特化型ECプラットフォーム、クラウド型グループウェア×CMS×SNS連携プラットフォーム、薬剤・医療材料共同購入プラットフォーム、美容関連ヘアカルテ共有サービス、地域密着型SNS、政治・選挙プラットフォーム、BIM建築情報プラットフォーム、コールセンタープラットフォームサービス、自治体向け広報紙オープン化・活用サービス、ソーシャルマネジメントプラットフォームなどを展開している。
 
 15年7月マイナンバー運用体制整備をサポートする「スパイラル・マイナンバートータルソリューション」を開始、オムニチャネル対応顧客情報統一管理「スパイラル・オムニチャネルソリューション」を開始、16年5月「スパイラル マイナンバー収集代行サービス」を開始、16年3月SBIインベストメントのFinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合(FinTechファンド)に1億円出資、17年4月ヘルスケア業界向け経営支援プラットフォームを展開するクロスリンクに出資した。
 
 なお17年5月には、会計クラウド「ネットde会計」「ネットde青色申告」事業から撤退すると発表した。当該事業に係る減損損失は17年2月期特別損失に計上済みのため、18年2月期業績への影響は軽微である。
 
■18年2月期第1四半期は2桁増収増益
 
 今期(18年2月期)第1四半期(3月~5月)の連結業績は、売上高が前年同期比13.3%増の13億17百万円、営業利益が同16.9%増の2億52百万円、経常利益が同15.4%増の2億51百万円、純利益が同95.4%増の1億68百万円だった。
 
 全事業合計の有効アカウント数は1万552件で同198件減少したが、主力の情報資産プラットフォーム事業が好調に推移し、ソリューション事業の大型案件も寄与して2桁増収となり、外注加工賃の増加などを吸収して2桁増益だった。売上総利益は同9.1%増加したが、売上総利益率は69.4%で同2.7ポイント低下した。販管費は同6.4%増加したが、販管費比率は50.2%で同3.3ポイント低下した。
 
 セグメント別に見ると、情報資産プラットフォーム事業は売上高が同12.7%増の8億79百万円、営業利益(連結調整前)が同13.9%増の2億39百万円だった。有効アカウント数は1万63件だった。
 
 広告事業は売上高が同24.3%減の50百万円、営業利益が7百万円の赤字(前年同期は24百万円の黒字)だった。競争激化や一部大手クライアントの予算縮小の影響を受けた。有効アカウント数は152件だった。なお売上高は広告枠の仕入高を売上高から控除する純額表示(ネット表示)で、広告枠仕入高控除前の総額表示(グロス表示)では5億53百万円だった。
 
 ソリューション事業は売上高が同24.0%増の3億78百万円、営業利益が25百万円(同9百万円の赤字)だった。有効アカウント数は239件だった。
 
 社会イノベーション事業(VOTE FORの政治関連活動「政治山」運営、アイラブの「I Love 下北沢」運営)は、売上高が同13.2%減の8百万円、営業利益が4百万円の赤字(同9百万円の赤字)だった。有効アカウント数は98件だった。
 
■18年2月期営業利益横ばい予想だが増額余地
 
 今期(18年2月期)連結業績予想(3月31日公表)は、売上高が前期(17年2月期)比10.4%増の53億円、営業利益が同横ばいの8億45百万円、経常利益が同3.4%減の8億35百万円、純利益が同16.2%増の4億70百万円としている。配当予想は17年2月期と同額の年間21円(第2四半期末9円、期末12円)としている。予想配当性向は33.9%となる。
 
 人材採用・育成強化などの先行投資負担で営業利益横ばい予想だが、需要好調で増収基調に変化はないようだ。また通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.9%、営業利益が29.9%、経常利益が30.1%、純利益が35.9%と高水準である。通期会社予想に増額余地がありそうだ
 
■20年2月期営業利益17億円目標
 
 中期経営計画2020では、目標数値に20年2月期の売上高73億円、営業利益17億円を掲げている。重点戦略として、リアルビジネスとの接点の強化、イノベーティブな事業への挑戦、グループ全体の採用・育成の強化、グループ各社の情報資産の有効活用を推進する。中期成長が期待される。
 
■株価は年初来高値圏、基調転換して上値試す
 
 株価は1000円台でモミ合う展開だったが、第1四半期2桁増益を好感して7月4日に年初来高値となる1300円まで上伸する場面があった。その後も1200円近辺で堅調に推移している。
 
 7月20日の終値1195円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円94銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS274円71銭で算出)は4.4倍近辺である。時価総額は約97億円である。
 
 週足チャートで見ると、戻りを押さえていた26週移動平均線を一気に突破した。そして13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。基調転換して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)