ドル円はトランプ政権の政策の不透明感や、日欧の金融会合を控え上値の重い展開が続く。ユーロ円でも利益確定の動きも作用し、ドル円は前日の安値をやや下回る111円53銭まで下落。その後111円80-90銭近辺まで小幅に戻して引ける。ユーロドルはECB会合を控え、利益確定の売りが先行。1.1510までユーロ安が進むが、下落も限定的。株式市場は続伸し、主要3指数ともに最高値を更新。企業決算が好調だったことや、住宅関連指標も上振れしたことを好感した。ダウは66ドル上昇し、2万1640ドルで引ける。債券相場は株価の上昇にやや軟調な展開。朝方は一時上昇したものの、前日比マイナスで引ける。長期金利は2.270%台へと小幅に上昇。金は続伸。原油価格は在庫が減少していたことを手掛かりに買われ、7営業日続伸。47ドル台を回復。

6月住宅着工件数   → 121.5万件

6月建設許可件数   → 125.4万件

ドル/円111.53~ 112.00

ユーロ/ドル1.1510~ 1.1538

ユーロ/円  128.57~ 129.13

NYダウ  +66.02 → 21,640.75

GOLD  +0.10 → 1242.00ドル 

WTI +0.72 → 47.12ドル  

米10年国債  +0.011 → 2.270%

 
本日の注目イベント

豪  豪6月雇用統計
日  6月貿易収支
日  日銀金融政策決定会合
日  黒田日銀総裁記者会見
独  独6月生産者物価指数
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
欧  ユーロ圏7月消費者信頼感(速報値)
英  英6月小売売上高
米  新規失業保険申請件数
米  7月フィラデルフィア連銀景況指数
米  6月景気先行指標総合指数
米  企業決算 → VISA、マイクロソフト、ブラックストーン
       

 ドル円はやや上値の重い展開が強まってきました。昨日の東京市場では111円台では底堅く推移したものの、海外市場ではむしろ112円台から上値が重く、NY市場ではドル円を動かすドライバーである米長期金利が小幅に上昇したにもかかわらず112円を超えられない展開でした。一方NY株式市場では企業決算が好調だったことや、住宅着工件数などが市場予想を上回ったことを好感し、ダウなど主要3指数は揃って最高値を更新しています。急速な金利上昇はないという市場の見方を表している証左だと考えられます。

 もっともドル円が下押しした理由の一つがユーロの動きの影響との見方もできます。ECBの理事会が今夜開催され、ドラギ総裁の発言が注目されています。総裁は先月27日、ポルトガルで行われた年次総会で「デフレ圧力がインフレ圧力に変わった」と述べました。この発言をきっかけに市場は、金融緩和縮小が近いと読み、ユーロドルを中心に買い戻しに舵を切り替え、ユーロ高につながった経緯があります。本日の理事会で緩和政策の変更はないとしても、その実施タイミングについてのヒントが得られる可能性があります。

 ユーロ円の売りもNY時間の朝方には目立っており、これがドル円を押し下げたとも言えそうです。ユーロが主要通貨に対して買われており、その額も積み上がっているものと思われます。ドラギ総裁の一言で上にも下にも行く可能性があるため、ここはひとまず利益を確保しておきたいと思うのはごく自然の流れです。ただ現時点ではドル円の下落に対してそれほど心配はしていません。WTI原油価格が44ドル台まで下げた後戻り調子であることや、米長期金利も4月のドル円が108円台前半まで下げた時には2.18%台まで低下していました。昨日の住宅関連指標のように、今後も経済指標は強弱まちまちであるとの前提に立てば、米長期金利が一方的に下げ続ける展開が想定しにくいと思われます。良好な経済指標が続けば金利上昇につながり、今回のように低調な経済指標が続けば金利が下がる。そのような波の揺り戻しが続いているのが、足元の相場展開かと思います。

 本日はECBに加え、日銀も政策決定会合を開きます。政策変更はないとしても、現行の緩和策の継続を強調するような発言が黒田総裁の口から出てくるようだと、ドル円反転のきっかけになるかもしれません。予想レンジは111円30銭~112円30銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)