ドル円はイエレンFRB議長が議会下院の証言で、インフレ率の不確実性を指摘したことで反落。一時は113円を割り込んだが、113円10-120銭近辺まで値を戻して引ける。長期金利の大幅低下もドル売りに拍車。ユーロドルも反落。1.14台半ばから1.14台割れまでユーロ安が進み、対円でも130円を割り込む。株式市場は急反発。議会証言から急激な利上げはないとのシグナルに反応しダウは123ドル上昇し、2万1532ドルと、最高値を更新。カナダ中銀が政策金利を0.75%引き上げたことでカナダドルは急進。政策金利の引き上げは7年ぶり。債券相場も続伸し、長期金利は急低下。インフレ率が不確実との表現から政策金利の引き上げは緩やかになるとの見方に、資金が債券にも向かった。長期金利は2.31%台へと低下。金と原油は3日続伸。

ドル/円112.92~ 113.74

ユーロ/ドル1.1392~ 1.1480

ユーロ/円  129.04~ 130.06

NYダウ  +123.07 → 21,532.14

GOLD  +4.40→ 1219.10ドル 

WTI +0.45 → 45.49ドル  

米10年国債  -0.043 → 2.318%

 
本日の注目イベント

中  中国 6月貿易統計
独  独6月消費者物価指数(改定値)
米  6月生産者物価指数
米  新規失業保険申請件数
米  6月財政収支 
米  イエレン・FRB議長、上院銀行委員会で証言
米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米  ブレイナード・FRB理事講演
                                     

 注目されたイエレンFRB議長の議会証言で議長は、「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う」とし、「例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」と述べました。(ブルームバーグ)市場はこの発言から政策金利の引き上げペースは緩やかになり、急激な利上げはないとの判断に傾き、ドル売りで反応しました。

 ドル円は113円台半ばから113円割れまで売られ、ユーロ円も129円近辺まで急落するなど、結局これまでの円売りポジジョンを巻き戻し、利益を確定する機会を提供した格好になったようです。議長はさらに「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数カ月、インフレの動向を注視していく」とも述べ、今後も政策金利引き上げは急がないとも取れる発言も行っています。先週の雇用統計で確認したように、労働市場は安定した拡大傾向を続けていますが、賃金上昇率の鈍化や、インフレを示す指標がFRBの想定した動きになっていないことに触れたものと思います。

 そうなると、明日発表される6月の消費者物価指数(CPI)がより重要な意味を持ち、仮に予想を大きく下振れているようだと、今後の利上げ観測に大きな影響を与える可能性があります。今後はさらにCPIや、PCE・コアデフレーターなどの『インフレ指標』の注目度がより高まってくるものと思われます。

 ドル円はイエレン議長の証言を受け113円を割り込んだものの、浅い下げでした。今回の値動きを踏まえると、基本的には112-115円のレンジである可能性が高いと思われます。114円台半ばまで上昇したものの、115円台にしっかり乗せるにはやはり米長期金利の一段の上昇というサポートが必要です。一方で日銀の金融緩和姿勢は明確で、昨日も債券市場で残存期間3-5年債の買いオペを300億円増やしています。米金利の急上昇はないとしても、緩やかな金利上昇が見込めるのであれば、日米金利差も緩やかに拡大していき、ドル円の支援材料になると考えています。

 ドル円は今朝7時過ぎには113円25銭前後で推移しており、既に「1時間足」ではゴールデンクロスを見せています。本日の予想レンジは112円80銭~113円80銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)